『良心の危機』、脚注にひっそりと隠された重大発表

大学で二年と独学、それで聖書の翻訳ができるのか

『良心の危機』第3章「統治体」より。

脚注にサラッと超重要なことが書いてあるので、拾っておく。私みたいに隅から隅まで読まないと気が済まない貧乏性でないと、読みこぼす恐れがあるよ・・・

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ものみの塔協会の製作した「新世界訳聖書」は、著者のおじにあたるフレッド・フランズが中心になって翻訳された。この部分の脚注より。

「新世界訳聖書」には

訳者の名前は記されておらず、「新世界訳委員会」の仕事であることになっている。この委員会には他にネイサン・ノア、アルバート・シュローダー、ジョージ・ギャンギャスがいた。しかし、聖書の言語について、この種の翻訳をするための知識があるのはフレッド・フランズだけだった。フレッド・フランズは、シンシナティ大学でギリシャ語を二年間学んでいたが、ヘブライ語は独学だった

エホバの証人が後生大事にしている「新世界訳聖書」。その翻訳に携わったチームの中で、多少なりとも原語の知識があったのは著者のおじのフレッド・フランズただ一人だった。ギリシャ語は大学で二年、ヘブライ語は独学だそうで。

この辺りは本書でさらに掘り下げられるのだろうか?フレッド・フランズが、裁判所で原語知識について問われたというのを何かで読んだ気がするので、続きに期待。

油そそがれちゃってた著者

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過去を改ざんし、都合の良い歴史を捏造するものみの塔協会

過去を改ざんするものみの塔協会

『良心の危機』第3章「統治体」。

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ほとんどのエホバの証人は過去の記録を見ることができないし、また協会がいかにして今日に至ったかを直接知っているわけでもない。権力中枢が行うこと、つまり権威の座にある者たちが行うことの数々もやはり知られないまま

なので、エホバの証人たちはものみの塔の思うままに情報操作されている。ジョージ・オーウェル「1984年」の全体主義国家のように、過去が書き換えられている。

『一九八四年』~塔から与えられればどんなに愚かしいことでもそのまま信じられるJW

『一九八四年』より

もし党が過去に手を突っ込み、この出来事でもあの出来事でも、それは実際には起こっていないと言えるのだとしたら、それこそ、単なる拷問や死以上に恐ろしいこと

真実の知識は、主人公の

意識の中にだけ存在するのであって、それも時期に抹消されてしまうに違いない。そして他の誰もが党の押し付ける嘘を受け入れることになれば-すべての記録が同じ作り話を記すことになれば-その嘘は歴史へと移行し、真実になってしまう。

エホバの証人の間ではこの状態がまかり通っている。過去は(ものみの)塔によって改変される。ラッセル&ラザフォードに離婚歴あり、やりたい放題に組織を牛耳っていた事実は抹消。逆に謙遜で慈愛に満ちた君子であるかのように創作。

エホバの証人は、ものみの塔組織によって外部情報を遮断される。もしくは組織外の情報は悪魔の述べる虚偽とされる。よってエホバの証人にとってはものみの塔の情報だけが真実と映る。

自身の歴史を改ざんするものみの塔協会

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エホバの証人の気まぐれ統治体、都合の良い理由は後付け

エホバの証人の気まぐれ教義

『良心の危機』第2章「私が本書を書く理由」、第3章「統治体」から。

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エホバの証人組織内の複数人の長老団制について。

  • 1932年、長老制を廃止
  • 1971年、長老団制度が復活

本書ではこの内幕が説明されている。1932年の廃止は、ものみの塔協会2代目会長のラザフォードが集権化のために長老制を廃止。

協会のやり方に賛成しない長老がいたという理由

による。

1971年の長老団制の再導入は

ほんの一握りの人間が実権を持っていたのであり、たった一人の人間(フレッド・フランズ)の気まぐれとも言える決定が世界規模の組織の方針を決定

したことによる。

1993年発行の『エホバの証人-神の王国をふれ告げる人々』ではこの長老制再導入により組織のイメージを持ち上げようと、

聖書の用語に関する「注意深い研究」が「統治体」の監督のもとで行われ、その目的は「聖書に保存されてきた型」に「一層十分に合わせる」ことであり、「神の組織に服し続けることを決意して」、「組織をこの聖書的な型に一層厳密に合わせる」

ためだったかのように書いている。しかし、この姿勢は建前で全部ウソであることが本書で明かされている。聞こえの良い言葉で信者をたぶらかすのがものみの塔の常道。(私にしてみれば、統治体やら聖書、神の組織と、胡散臭さ満点だ・・・)

ものみの塔組織がいかに冗談じみたものか、茶番か。こんなものに人生を賭けるというのは無意味で、どれだけ間違った選択かということが分かる事例。

これは長老団制の導入云々だけではない。一事が万事、統治体の気まぐれで決められていることが3章「統治体」で書かれている。

JW(エホバの証人)の統治体の聖書的無根拠~すりかえ

エホバの証人は『統治体の証人』か『統治体教』に改名しよう

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聖書に不忠実な創作、ものみの塔協会の大筋3点セット

エホバの証人の聖書に不忠実な3点セット

ものみの塔の大筋3点セットはすべて創作

『良心の危機』第2章「私が本書を書く理由」から。

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本書の著者らが記した、エホバの証人の宗教本『聖書理解の助け』について。著者自らその本を振り返っている。

先入観にとらわれたり、聖書そのものにもっと忠実であってしかるべきだった箇所もある。それが自分でもわかっているのは、例えば「諸国民の定められた時」「忠実で思慮深い奴隷」「大群衆」などの項目

このいずれにも、ものみの塔協会の教えを支持する目的で書かれた部分が含まれてしまっている

「定められた時」は今ではなく、すでに過去。さらに「忠実で思慮深い奴隷」が存在したのも過去の話。当然「大群衆」はエホバの証人ではない。と先入観を取っ払うと、ものみの塔の根幹が揺らぐ。

つまり、エホバの証人の信じていることの大筋はすべてものみの塔の創作。

不屈の精神より、エホバの証人としての贖罪を手軽な行動で示せ

聖書に不忠実なものみの塔のマインドコントロール情報

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完全なる無駄な人生を送った、エホバの証人(JW)

重大な決断を他人に預ける、エホバの証人

『良心の危機』第2章「私が本書を書く理由」より。

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エホバの証人のせいで結婚・出産を諦めた人の話が出てくる。1938年、酒好きのものみの塔協会会長のラザフォードがこう講演している。

今、この人たちにとって結婚して子供を作ることが聖書的に適切なことでしょうか。否、というのが聖書に裏付けられた答えです

聖書に答えを求めんなと、適切かどうかお前が決めんなと、何ふざけたこと言ってくれてんの?という感じだが、マインドコントロール下にある人にはその程度の判断能力すら失われてしまっている。

重大な人生の決断を赤の他人に預けてしまう。しかも飲む打つ買うの三拍子揃った大悪党ラザフォードに。

ものみの塔協会二代目会長ラザフォードの生涯から学ぶ人生の意義

ラザフォードが今と言っているのは、1938年。本人の主張ではこの世の終わりハルマゲドンが間近に迫っているという設定だった。

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不屈の精神より、エホバの証人としての贖罪を手軽な行動で示せ

私怨より義憤、憎しみより道徳的義務?

『良心の危機』第2章「私が本書を書く理由」より。

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著者がこの本を書いたのは、自身のエホバの証人としての稀有な経験と、さらに一般エホバの証人が知り得ないことを知ってしまったこと。そして、その2点から導かれる道徳的義務だと説明している。

なかなかにお上品な動機であり、エホバの証人組織への怒りとか憎しみとか恨みで動いている私との違いを感じる。

この本の影響は大きく、人を動かすには(特にマインドコントロール下にある特殊状態の人には)負のエネルギーよりもこういった道徳的、高尚なものの方が効くのかとも思ったり。

という訳で、第一にカルト被害者の救済。第二に社会悪であるカルト組織の撲滅のために。そして、第三に大きな大きな私怨と、看板を掲げ直すか。とはいえ、第一第二要因についても、義憤といった方が良くて。やはりこの本の著者と私の動機はちと違うなと。

元エホバの証人2世の贖罪

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良心に従い宗教を脱会するときに、立ちふさがるカルト要素

人生を妨げるカルト

何らかの態度を貫くとは

『良心の危機』、第1章「良心の代償」より。

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生涯が終わりに近づいてきた時、「少なくとも私は何らかの態度を貫き通した」と言うことのできる人の方が、何の立場も貫かなった人よりも満足感が大きい

当初、「ごもっとも」とうなづいたのだが、

かたくなにも「エホバの証人としての態度を貫き通しました」なんて人が出てくると困る。それは単なる自己満足で、ものみの塔の言いなりになっているだけ。何らかの態度を貫くという美しい姿勢とは、対極。

頑迷なマインドコントロール状態を貫いて生きるのも、「何らかの態度の貫き」であろうと言われれば、それはその通り。しかし、それは残念極まりない生き方の貫き方。

その時々で柔軟にベストな対応を取るという態度だって、それを続ければ「何らかの態度を貫き」通したということにはなる。

結局はモノの見方しだい。エホバの証人には「家族に迷惑をかけない態度」を貫き通して欲しい。

『良心の危機「エホバの証人」組織中枢での葛藤』、回り道回避の一冊

エホバの証人を脱会すべきという良心

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『良心の危機「エホバの証人」組織中枢での葛藤』、回り道回避の一冊

『良心の危機』、もっと早く読んでいたら

今さらながら『良心の危機』を読み始める。私は組織や教義の矛盾を感じて(いわゆる、”つまづいて”というやつ)エホバの証人をやめたわけではないので、こういった背教本を読む必要が無かった。

ものみの塔やその教義が正しかろうが、自分の好きなように生きることこそ人間の成すべきことだと考えてエホバの証人をやめた。人を殺めたり、モノを盗んだりしない限り、人間は自分の望む生き方をするのがベストでこれは普遍的真理だと今でも考えている。

なんでもかんでも押しつけてきやがる、エホバという神とものみの塔は鬱陶しくてたまらなかった。自然だらけの「楽園で永遠に生きるのが幸福です」って、しょうもない価値観を勝手に押し付けるなと。

この真理に、良い大人になってもたどり着かず、エホバの証人上層部に上りつめた人間が何を言ってやがるという感覚で、この本を手に取ることはなかった。
※本書はエホバの証人最上層の統治体成員として9年も活動した人物の執筆

今となっては、脱会直後にきちんと本書を読んでいれば、洗脳があっさり解けていたかも知れないと、ちと反省。情報を集め、精査する姿勢が欠けていた。

『星の子』の両親、早く風呂入れ~世界を広げることの効能

二度の人生の回り道

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エホバの証人(JW)2世の子供、親に対する条件付きの愛

エホバの証人の子供、条件付きの愛

エホバの証人(JW)という宗教の2世信者だった私は、親を捨てる覚悟でエホバの証人からの脱会を決意。14才の秋、大昔のできごと。

エホバの証人はエホバの証人しか愛さない。エホバの証人の親は、子が「エホバの証人であるなら」という条件付きの愛しか持っていない。そういった内容の昨日の記事を書いて以来、考えていた。

私は、異常に熱心なエホバの証人だった両親を捨てる覚悟が出来ていた。そんな冷酷な私は、親に対して条件付きの愛しか持っていなかったのではないかと。悲しいが仕方ない。そんな薄情者だから今の自分がある。

エホバの証人の親は持ちえずとも、子は持つと言われる無償の愛、無条件の愛が私にはなかった。私の親に対する愛は条件付き。両親が「エホバの証人でないなら」という条件付きの愛情。

『解毒』~エホバの証人が持たない無償の愛

人生の答え合わせは出来ないのなら・・・

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カルト宗教の家庭が、狂気のモンスターを生む理由とは

子供に宗教を強制するカルト

よく言われるのが、「エホバの証人の親は条件付きの愛しか持っていない」ということ。親に限らず、エホバの証人はエホバの証人しか愛さないように組織のものみの塔側からコントロールされている。

エホバの証人2世=親の宗教を押し付けられた子供。エホバの証人2世のケースで、親の是認を得られるのは、子がエホバの証人であればということになる。それが条件付きの愛。

親に愛されたいと思わない子供はいない。幼い子供であればなおさら。親の保護がないと自身の生存に関わる。生物の本能として親の愛を得ようとする。

その立場の差を利用して子供にカルトを押し付けようとするのだから、エホバの証人の親も、子を洗脳する方向に指導するものみの塔協会も相当にたちが悪い。

宗教を信仰するか否かは子供の自由だというのが、エホバの証人側の意見だろうが、保護者という地位を濫用しての宗教押しつけは、強要以外の何ものでもない。

さらに、私の世代のエホバの証人2世の場合には「懲らしめ」という体罰が横行していた。エホバの証人の組織主導で親たちに子供のお尻を引っぱたかせていた。

痛みに対してはストレートに服従せざるを得ない。動物の調教と同じ。エホバの証人2世の子供たちは宗教の強要という人権侵害に屈せざるを得ない。

カルト宗教2世被害者の「逆恨み」、理不尽な現実から安直な方法で逃避しない

カルト宗教2世の賭け

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