エホバの証人脱会の過程で離婚した両親
私は、両親ともにエホバの証人という家庭で育った。私は一人っ子で親子3人全員が信者という、エホバの証人でいうところの神権家族だった。
私は14才のときに自分の意志でエホバの証人をやめる。その後、私の両親は時をずらしてそれぞれのタイミングでエホバの証人を脱会。会衆の長老だった私の父親は、まずその役職を辞任。これは一人息子の私がエホバの証人をやめた影響。
追って、母親も脱会。その間に父が出奔。両親は離婚し、一家離散した。
エホバの証人の長老とは
エホバの証人の長老というのは、会衆というエホバの証人の地域単位のコミュニティでのリーダー的存在。当然、熱心なエホバの証人信者であることが求められる。その熱狂的姿勢は家族にも求められた。
エホバの証人組織からは、長老であるからと言って、金銭的な見返りはない。得られるのは組織の中で、特権と呼ばれる会衆内の運営を取り仕切る権威だけ。
長老のすぐ上にはさらなる特権階級の巡回監督という複数の会衆のリーダーがいる。エホバの証人の長老とは、会社でいうと末端の中間管理職のようなもの。そして、すべて無償での活動。
エホバの証人組織には、カルトにすがる理由を持った人が多く存在する。単純に頭が悪かったり、思い込みが激しかったり、夫が酒を飲んで暴力を振るうなど家族環境に恵まれていない人、生まれついての病気や障害があったりと、そんな信者が多い。
精神状態に問題を抱えている信者も多い。被害妄想癖があったり、攻撃的な性格だったり、薬物やアルコールに依存していたり。エホバの証人の会衆内には精神的に不安定な人が多かった。
会衆内の他の信者のスパイ行為や、他の信者家族の批判・観察を日課としている信者もいる。会衆の長老は、性格・行動に難がある厄介な末端信者のすぐ上に位置している。父はそういう立場にいた。
父がエホバの証人をやめた理由
息子の私がエホバの証人をやめたことの責任を取り、父親は会衆の長老職を辞した。このとき、私はこれは良い傾向であると感じた。
私は、エホバの証人の教理に根本的な疑問を感じたために脱会した。エホバの証人が主張する永遠の命に意味はなく、人間の生の意味は刹那・瞬間を輝かせることにある。死ねば無に帰するだけなら、神も怖くない。
父が、私の批判するエホバの証人組織の役職を下りたのは良いことだと感じた。その予感は当たり、父はエホバの証人をやめる。エホバの証人の宗教組織としての致命的な欠陥に気付いたから。
どろどろの人間関係のエホバの証人の会衆に救いがある訳がない、それは長老だった父親が何よりも感じていたこと。教団の予言ははずれまくり、その都度、欺瞞的な体質で隠蔽してきた。
そして、1995年の冗談じみた予言ハズシ。このエホバの証人の醜態を目の当たりにした父が、カルトにすがる理由はなくなった。
熱心な開拓奉仕者だった母がエホバの証人をやめた理由
私の母は20年近くエホバの証人の奉仕活動一筋。世俗の仕事は一切していなかった。奉仕活動とは伝道布教活動のことで、エホバの証人は家から家へと呼び鈴を鳴らし、宗教勧誘しまくる。私の母親もこれをやっていた。雪の日も、炎天下の日も。
母は正規開拓奉仕者という立場で、毎月90時間の布教活動のノルマがあった。主婦業の傍ら、この時間を布教活動に割かれる。この時間かける20年、これを別の何かに費やせば、必ず大きな実りがあった。
母は、会衆内のエホバの証人信者との人間関係が、脱会の足かせとなっていた。20年もの間、教団外の人との交流が無かった。エホバの証人組織内の人間関係にすがるしかなかった。
ただ、徐々にエホバの証人活動に不活発になり、世俗の仕事を20年ぶりに始めた。父親との離婚の危機を感じていたようで、エホバの証人が経済的には何も助けてくれないことは、母親もよく知っていた。そのために自分で仕事を再開するしかなかった。
しかし、その後もしばらくは教団のマインドコントロール下にあった。エホバの証人の戒律に背いているためか、あるいはその活動を疎かにしているためか、「神の裁きの稲妻に打たれる夢を見る」と語っていた時期があった。
しかし、近年では神社に参拝できるまでに回復している。
経済的苦難が予測され、世俗の仕事をせざるを得なくなった。その過程で客観的にエホバの証人組織や自分自身を見つめることが出来た。そうすると、様々な疑問が教団に対して湧いてくる。こうして、母親はエホバの証人をやめた。
エホバの証人組織は、自身の戒律や教理に対して、信者たちに完全服従を要求する。しかし、組織そのものは偶像扱いして崇拝されるほどの崇高さを持ち合わせていない。
時にはナチスにすら迎合する裏表のあるカルト。その体質に違和感を覚えれば、マインドコントロールからの解放に向かう。教団の裏表の事例には事欠かない。
問題点は組織に残る人々との人間関係。私の母親のように世俗の人間関係を一切断ち切り、仕事もしていなければ教団内にしか友人知人がいない。エホバの証人の人間関係に未練が残ると脱会は困難。
エホバの証人夫婦の悲劇的な未来
私の両親は、エホバの証人組織をやめる際に時差が生じた。このタイミングのずれが、決定的に夫婦関係を損ねた。私が成人して就職し、完全に家を出てから2～3年後のことなので詳しい事情は解らない。
私の父親は置き手紙1枚で家を出て行き、両親は離婚。こういう夫婦関係の決裂はエホバの証人夫婦にとっては日常茶飯事。
夫婦の貞操を守ることは自称キリスト教信者として当然なのだが、エホバの証人たちはそれ以上に教団の戒律への服従を強いられている。
エホバの証人組織から排斥された配偶者に対して、必要以上に接してはいけない決まりがある。排斥とはエホバの証人的村八分のこと。父は、エホバの証人になってやめたタバコを再度吸い始めていた。
これはエホバの証人的には排斥事由にあたる。このため、両親は家庭内別居状態にあった。さらに父親には浮気疑惑が発生。
エホバの証人的には離婚は禁止なのだが、片方の貞操が破られた場合は離婚がOK。これは受け止め方によっては、片方の貞操が破られた時点で離婚せよということになる。
エホバの証人の初代と2代目の会長はそれぞれ離婚し、順風な家庭を築くことは出来なかった。この事実は、この宗教の発足当初にしてエホバの証人夫婦の未来を予兆していた。
エホバの証人組織は終わりの日の予言をハズし続けているのだが、皮肉にもエホバの証人夫婦の未来については、初期の会長たちの前触れ通りになっている。
エホバの証人夫婦の性生活についてはエホバの証人のセックスとマスターベーションの罪と罰
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