『解毒』:すべてのエホバの証人の親は、子育てに失敗する

元エホバの証人2世の女性の『解毒』

元エホバの証人女性の書いた『解毒』

エホバの証人を脱会した女性が書いた『解毒』。著者は1977年生まれのエホバの証人2世信者で、私と同年代。境遇が似ていたので共感するところ多。同年代のエホバの証人2世や、その親世代にもおススメの一冊。

エホバの証人の子どもが下す親の評価

大人になった著者が自分の子ども時代を振り返る。そして、まだ若い両親が、もがきながら自分たちを育てていたことに気付く。

歳を重ね、知恵がついた自分の視点で親の子育てを批評するのは間違っている

著者は、自分の親は与えうる限りの愛情を注ぎ、全力で子育てをしたと評価を下す。

私の両親も若くして、私を育てた。そして、この著者同様に十分に愛情を注がれた。両親には非常に感謝している。ただ、この麗しい事実は、物事の一面に過ぎない。私の両親は、著者の母親同様にものみの塔協会に強烈にマインドコントロールされたエホバの証人だった。

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『解毒』~エホバの証人夫婦の離婚率が高い原因とは

エホバの証人夫婦の離婚率が高い理由

元エホバの証人2世女性の離婚経験者が書いた『解毒』

この本には筆者自身の離婚・再婚の経験も書かれている。

エホバの証人は教理上の正当な理由がないと離婚ができない。作者の離婚理由はエホバの証人の教理的に正当でなかったために、教団側に再婚の自由なしと規定された。そのため、筆者はエホバの証人組織から排斥され、苦しむ。

排斥については『解毒』~日本初の排斥エホバの証人の本

エホバの証人はDV夫とも離婚できない

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元エホバの証人、時の経過が「エホバ」という傷を癒す

元エホバの証人、時の経過が傷を癒す

平成の終わりを生きる、元エホバの証人2世

私は生まれながらのエホバの証人だった。両親がものみの塔協会によって念入りにマインドコントロールされた、いわゆる2世信者。

14才の秋に、自分の意志でエホバの証人をやめる。しかし、ものみの塔の洗脳が解けたのは20才を過ぎてから。それまでは、ハルマゲドンというものみの塔の終末予言を怖れる日々をすごした。

洗脳から解放された後は、反ものみの塔的な生き方をしなければならないという強迫観念に囚われる。これは、逆説的にものみの塔にマインドコントロールされているようなモノだった。

非エホバ的生き方の象徴として、私はあえて正社員雇用されていた会社を退職、パチプロの道へ転向。そして挫折、非正規雇用の立場へ転落。

そして、そのまま非正規雇用を10年近く続ける。

非正規で働くなんてエホバの証人らしさ、そのモノなのだが、この頃は長引く平成不況の出口頃で、非正規雇用労働者が増加中。3人に1人が非正規という時代だった。

非正規雇用で働くということは、もはや特にエホバの証人に限った話ではなく、変に高い私のプライドが損なわれることも、さほど無かった。

そして、ただ時が過ぎていく。貧乏暇なしとはよく言ったもので、日々を忙しく過ごしている間に、私は30才を超える。

周囲からエホバの証人が消えることで、健全な思考状態へ

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エホバの証人の限定的愛情、脱会すると家族でも愛されない

エホバの証人家族の愛情は脱会者に残るのか?

エホバの証人以外を愛さないエホバの証人

私は生まれてから14才になるまで、エホバの証人2世として生きることを強制された。

エホバの証人2世とは、エホバの証人という新興宗教を親の「1世」信者から強制される子どものこと。日本ではものみの塔聖書冊子協会が代表的な宗教法人として、国内組織の維持・運営を行っている。

私は14才で脱会した後、まっさらな新環境での高校生活を満喫していた。エホバの証人だった両親と徹底的に対立して、家を出ることまで覚悟していた。しかしながら、幸いなことに両親はエホバの証人でなくなった私を見放すことはなかった。

生まれたときからエホバの証人2世として育てられたので、親の愛情は、私が”エホバの証人であるなら”という限定付きだと思っていた。意外とそうではなく、両親はエホバの証人でない私に対しても、親としての愛情を注ぎ続けた。

この辺りは、親次第。親の知能指数やエホバの証人としての経験年数、体験、そのときの状況による。

エホバの証人3世のような人間だと、エホバの証人以外のことは全く知らない。

そんな環境で育つと、洗脳状態が深く、エホバの証人以外は人間に非ずというような考え方になる。こうなると、たとえ自分の子どもであっても、エホバの証人でないならば、愛する対象ではなくなる。

また、ものみの塔への依存が強すぎるために、子どもや家族よりも組織への信仰を優先させる信者も存在する。本人は、まるでキリストのように、肉の家族より神を優先させるという尊い考え方をしているつもり。しかし、これはただのお馬鹿さんで、

自分の家族すら愛せない人間が、キリストのような聖人になれるわけがない。思考停止状態になって、ものみの塔という偶像を崇拝し、教団に行動を操作されているだけ。

エホバの証人をやめる人が覚悟すべきこと

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エホバの証人2世が脱会宣言をしたあとの注意点3つ

エホバの証人脱会宣言の後

エホバの証人脱会宣言をしたあとで気をつけること3つ

  1. 絶対折れない、譲歩しない
  2. 教理の論争はしない
  3. 家族関係はあきらめる

私は一人っ子で、両親との3人家族だった。両親は狂信的なエホバの証人で、私は当然のように生まれながらのエホバの証人の2世信者だった。

エホバの証人をやめる宣言をしたのが14才の秋。とある晩のエホバの証人の集会に出かける直前のこと。

両親は集会に出かけ、私はエホバの証人の集会に行かなくて良い、初めての自由な夜を満喫していた。両親が帰ってくれば、「集会にもう行かない」宣言をしたことを、問いただされるのは目に見えている。

この日の記事は
エホバの証人2世が脱会宣言する際の3つの極意(親に対しての告げ方)

集会から帰ってきた両親は、予想外に穏やかな態度だった。2時間の集会中にクールダウンされた様子。感情的にくれば、感情的に返すことになり、そのまま決裂も覚悟の上だったのだが。

何事もなかったような親に対して、私は徹底抗戦。

注意点1.絶対に譲歩してはいけない

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エホバの証人に自殺者が多い理由③:暗闇を歩いたその先には・・・

暗闇の先の海へ

エホバの証人に自殺者が多い理由

なぜエホバの証人に自殺者が多いのか(当社比)?その理由を考えるために、1回目は、私がエホバの証人2世だった頃に起こした自殺未遂について触れた。

1回目の話は、エホバの証人に自殺者が多い理由①:2つの自殺未遂体験談

前回、2回目は下記2点について考察。

  • 私はなぜ自殺しようと思ったのか?
  • 当時の私にとって、なぜそんなに命の価値が低かったのか?

今回は、私の父の自殺未遂から、エホバの証人に自殺者が多い理由を考察する。

エホバの証人家族の崩壊

私は、ほぼ生まれながらにエホバの証人2世として育てられた。両親は狂信的ともいえるエホバの証人で、私はその一人息子だった。当然のように、私はエホバの証人の教理を強要される。

私は14才のときにエホバの証人をやめると両親に宣言し、完全にこのカルト教団から脱出しようとした。

両親は当然のように引き留めるのだが、私はそれに対し徹底抗戦。成人と同時に家を出る。その後、父→母の順でエホバの証人をやめる。21世紀になった直後のこと。

両親がエホバの証人をやめられたのは、恐らくものみの塔の冗談のような1995年の予言解釈の変更が原因。当たらない予言に、さすがに愛想が尽きたというか、目が覚めたというか、マインドコントロールが解けたのだろう。

1914年の嘘と1995年の冗談

エホバの証人をやめる時間差が問題になり、両親は離婚、私の家族は崩壊。父がエホバの証人やめたあとで聞いた話。

元エホバの証人の父、その自殺未遂とは・・・

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エホバの証人、お前の「家族の明日を考えろ」まだ間に合う

エホバの証人が考えるべきは、自分の家族の明日

エホバの証人の家族の明日を考える

週末や夕方の駅前、大きなボードの横にエホバの証人が立っている。ものみの塔』や『目ざめよ!』の宗教誌を持っているを見るとゾッとする。思わず恥ずかしくなって目を逸らしてしまう。

過去の自分を見ているかのような気がするから。

彼らのように街頭に立ったり、家々の呼び鈴を不毛に押して歩いていたのがもう20年も前。しかし、いまだにこの傷は癒えない。

自分から街頭に立っているエホバの証人に話しかけて、「オレ背教者なんだけど、このブログちょっと見て下さい」とやれるくらい、私も図々しいと良いのだが。そうもいかない。

いまだにエホバの証人の子どもだった、という過去を清算しきれていない。自分の心の中で。

先日、駅前で見たのが『家族の明日を考える』というエホバの証人の立て看板。そして、その横に立っている年老いたエホバの証人たち。

「お前の家族の明日を考えろ」と言ってやりたいところだが、目を合わせないようにして立ち去る。息子娘たちはエホバの証人を止めて疎遠、絶縁状態になっているのだろう。孫の顔も見れない。

もしくは、嫌がる子ども夫婦のことなど考えもせず、孫に宗教本を見せたりという暴挙に及んでいるか。絶望的な空気の読めなさ。親族の良好関係を自ら致命的に損なう。

既に成人している子どもも、いまだにエホバの証人だったら?子どもたちとの関係も良好?いやいや、一族総出でカルトですか?害悪をばら撒き、社会に荒廃をもたらす最悪な一族。

ものみの塔協会がエホバの証人家族に仕掛ける時限爆弾

年老いたエホバの証人の家族

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元エホバの証人2世が、つなぎ止めることのできない家族の絆

エホバの証人家族の崩壊

簡単には抜けないものみの塔的思考方法

私は物心ついた頃からエホバの証人2世として育てられた。両親は狂信的なエホバの証人で、私はものみの塔の教理を押し付けられて成長。そして、14才になる年に自分の意志でエホバの証人をやめ、20才で就職し家を出た。

この頃の私は、自身の我が世の春を謳歌するのに必死だった。幼い頃から、ものみの塔の堅苦しい教理によって多くのことを禁止され、自由を制限されたことへの反動。

いかにエホバらしくないか、いかに反ものみの塔的であるか、そういう生き方、行動、選択をしなければならないという強迫観念に縛られていた。エホバの証人をやめたのなら、非エホバの証人的行動をとらなければならない、という思い込み。

これこそ、白黒決めつけ型のエホバの証人的思考。エホバの証人は、良いことが起これば「エホバのおかげ」、不運なことを起きれば「悪魔サタンの仕業」と決めつける。

20代の私は、エホバの証人をやめたものの、エホバの証人的思考から全く自由になってはいなかった。

元エホバの証人のハルマゲドンに対する恐怖

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エホバの証人2世被害者、親を許すことができるのか

エホバの証人2世の愛憎

エホバの証人親子の関係修復のチャンス

私は生まれて以来、エホバの証人2世として育てられた。

エホバの証人というのは、キリスト教を自称する新興宗教。日本ではものみの塔という名称でも知られている。2世と言うのは、宗教2世信者のことで、親の宗教を強要される子供のこと。

私は、両親ともにエホバの証人という、エホバの証人の言うところの神権家族で14才までを過ごす。14才になる年に、私は自分の意志でエホバの証人をやめた。その後、20才で就職して家を出る。この頃になっても、両親はいまだにエホバの証人だった。

一人暮らしをしていた頃、ちょっとした用事で実家へ帰ったことがある。私が20代前半の頃。

実家では驚くことに、父がタバコを吸い始めていた。父はエホバの証人の長老だったはずなのに!エホバの証人にとって喫煙は厳禁。組織から追い出される排斥事案。

どうやら、父はエホバの証人のマインドコントロールが解けたのか、エホバの証人をやめたのか、はたまたその両方であるのか、いずれかは確実だった。父子関係を修復するまたとない機会だったのだが、父に対し、私は歩み寄ることができなかった。

後で分かったことだが、父はこの頃には既にエホバの証人をやめていた。しかし、母はまだエホバの証人で、両親は家庭内別居の状態にあった。この夫婦の間を取り持つのが一人息子である私の役目だったのだが・・・。

エホバの証人2世の屈辱と痛み、恐怖の節分・豆まきの記憶

ものみの塔のあやつり人形、母親によるジャッジメント

エホバの証人2世被害者が、親を許すということ

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エホバの証人一家の根底は嘘、エホバの証人家族が機能不全に陥る理由

エホバの証人2世の妄想

エホバの証人一家の根底にある嘘

私はほぼ生まれながらにしてエホバの証人2世として育てられた。14才のときに、親と決別しエホバの証人をやめた。14才までの間に、真面目にエホバの証人になろうと試みたことが何度かあった。

エホバの証人というのは、自称キリスト教系の新興宗教。ハルマゲドンという終末思想を掲げ、世界中で信者を増やした。日本ではものみの塔聖書冊子協会が指導・運営的立場にある。

私は、そのエホバの証人の2世信者。親に宗教を強制された子どものこと。

「僕は大人になったらベテルで奉仕したいです」

子どもの頃の私は、両親の顔色を伺って、彼らが望むことを言い続けていた。ベテルに入って働けば両親は喜ぶし、両親の愛を得られる。実際に本当にそうしても言いのかなと、思った時期が何度かあった。

ベテルというのは各国のエホバの証人の支部のことで、国内の信者の管理・統括、宗教本の刊行などを行っている。そこで無償で働く出家信者となると、エホバの証人的にはエリート扱い。しかし、現実の社会では人生の墓場行き。

エホバの証人の教理では、ハルマゲドンという終末を生き残れるのは、正しい信者だけという設定になっている。ハルマゲドン後の地球は楽園となり、エホバの証人たちはそこで永遠に生きる。エホバの証人は、この突拍子もない話を本気で信じている。

私も、真面目にエホバの証人になろうとしたのは、このトンデモ話を信じていたから。真面目なエホバの証人になれば、親子3人でハルマゲドンを通過し、楽園に入ることができると、心の底から思っていた。

これが幼い頃からの洗脳の成果。

エホバの証人は、ものみの塔の活動に全身全霊を費やすことに喜びを感じている。家族そろって丸々マインドコントロール状態は、本人たちにとって幸福な状態、だから放って置けばいい、という意見もある。本人たちの自由だと。

しかし、これは誤っている。なぜなら、

エホバの証人一家の根底にあるモノが虚構だから。ハルマゲドンを通過し楽園で永遠の命を享受というストーリーが、完全なる嘘だから。結局、現状をどれだけ幻想で飾っても、エホバの証人一家の未来に幸福が待つことはない。

さらに、周囲の無垢の人々を勧誘し、犠牲者を増殖させることは、本人の自由という言葉で許されることではない。むしろ、無垢の人々を騙し欺くという罪を重ね続けることは、本人たちも望まないことであろう。

エホバの証人家族が機能不全に陥る理由

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