エホバの証人の日本支部・海老名ベテルとは
『ドアの向こうのカルト 九歳から三五歳まで過ごしたエホバの証人の記録』より。ベテル奉仕までした元エホバの証人の著者が書いた本。絶版になっているので手に入れるなら中古本で。
ベテルとはエホバの証人の各国の本部のこと。この本の著者は、当時アメリカ・ニューヨーク・ブルックリンの世界本部のベテルで奉仕している。エホバの証人的にはエリート。一般的には激ヤバだが。
ベテルとはオウム真理教で言うところのサティアンなのだが、いわゆるカルト的なヤバさはない。精神的危険度は充ちているのだが、曼荼羅が貼ってあったり国家転覆を計って武器製造をしていたりということはない。(多分)
私も30年以上前に、神奈川県海老名市にある日本支部のベテルを見学したことがある。清潔感のある近代的な建物に、製本の臭いがする印刷工場と、住み込みで奉仕活動を行う信者の居住施設があるだけ。
エホバの証人の日本支部・海老名のベテルには、日本中の信者たちがバスに乗って見学に来ていた。製本ラインや居住スペースなどを見学して、ありがたがって帰っていく。
私もその気がないのに、「将来はベテル長老になりたい」と言ってみたりして、両親を喜ばせた。父は「お前がベテル長老になったら、お母さんは泣いて喜ぶ」と喜んでくれた。価値観を狂わされた最低な家族。
エホバの証人のベテル奉仕者は最もマインドコントロールが深い
著者は、ベテル奉仕について以下のように書いている。
ベテルにいて3,000人の奉仕者と共に生活していると、世界全体には証人たちしかいないという錯覚にとらわれる。果たして証人でない人が世の中にいるのだろうか?当時はむしろ街で見かける他の人たちが特殊な人たちに思えていた
ベテル奉仕中の著者は、自身の全てを投げ出してものみの塔に捧げるという、完全にヤバい状態にあるのだが、それに気づいていない。エホバの証人しかいない空間に放り込まれ、完全なマインドコントロール状態にある。
外部を見えなくして、周囲を均一的なモノで覆い、その周囲との一体感に浸らせる。一点だけを注視させる。マインドコントロールの常とう手段。エホバの証人の中でも、ベテル奉仕者は特に深いマインドコントロール状態にある。
ベテル奉仕は、教団内では特権とされ、若い信者はベテルで働くことを夢見ている。ものみの塔は、信者の自己顕示欲・優越感をあおり、若者たちをベテルという墓場に引きずり込んでいる。
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