ものみの塔裁判:上告理由書を公開——全国のエホバの証人の寄附が誤認の典型例。

全国のエホバの証人が不当寄附勧誘の餌食に・・・

ものみの塔と裁判をしていた件。最高裁への私の上告提起が受理されなかったため、私の書いた上告理由書を公開供養中。

第1章「理由不備」の後半。控訴審判決は、全国のエホバの証人が不当寄附勧誘の餌食になっていると認定しちゃったのでは?などと指摘。

1-4 事実認定と法的評価の逆転

該当箇所:原判決は、上告人の疑念を前提として判決を下している。このことは、原判決が、上告人の疑念が以下の客観的事実に基づく合理的疑念であることを自ら認定していることを意味する。

  • 統治体の裁判状況
  • 多額の賠償責任
  • 寄附金の海外送金の不透明性

問題点:これらの事情は、使途や使用主体に関する説明が不十分で、寄附者の理解が形成されていたとはいえない典型的事情であり、不当寄附勧誘防止法3条3号および逐条解説(乙11)が示す誤認判断の基準(「説明状況」「寄附者の理解」)に照らしても、誤認が生じやすい典型的事情に該当する。それにもかかわらず、原判決はこれらの事情を認定しながら誤認を否定しており、事実認定と法的評価が逆転している。

法的帰結:この逆転は、不当寄附勧誘防止法3条3号が採る「説明状況」および「寄附者の理解」に基づく判断構造を誤解したものであり、条文の趣旨・構造に関する法令解釈の誤りである。また、事実認定と法的評価の整合性を欠くことは、判決理由としての連関を欠くものであり、民事訴訟法312条2項6号の理由不備に該当する。

 

1-5 論理の一般化による帰結の不整合

該当箇所:原判決は、前記1-1で引用したとおり、「上告人が寄附前から疑念を抱いていたこと」「寄附の目的が適法性の検証(調査目的)であったこと」を誤認否定の主要理由として掲げ(原判決3頁12行目から17行目)、「そうすると、控訴人が、本件サイトの記載により寄附金の使途や使用主体等を誤認したが故に本件寄附を行ったものとは認めることができず」と結論づけている(原判決3頁18行目から19行目)。

問題点:この論理構造を一般化すると、「寄附前に疑念を抱かず、検証目的でない寄附者には誤認が成立する」という帰結が導かれる。原判決が誤認判断の核心部分を検討せず、「疑念の存在」を誤認否定の理由に据えた以上、その裏返しとして「疑念の不存在」が誤認成立の前提となることは避けられない。

ところが、この一般化された論理構造は、被上告人の一般信者の寄附行動(疑念を抱かず、使途説明を信頼して寄附する)にそのまま当てはまる。

すなわち、原判決の論理をそのまま適用すれば、全国の被上告人の信者の寄附が誤認の典型例となるという看過し得ない制度的帰結を伴う。

ところが、原判決はこの帰結について一切説明していない。

むしろ、疑念の有無を誤認判断の中心に据えることにより、本来審理すべき「寄附金の使途や使用主体等について誤認を生じさせるおそれがなかったか」という不当寄附勧誘防止法3条3号の核心的判断を回避している。

なお、本件では、統治体の裁判状況、多額の賠償責任、寄附金の海外送金の不透明性など、寄附金の使途・使用主体に関する誤認の危険を高める客観的事情が存在していた。

にもかかわらず原判決は、これらの事情を上告人の疑念の源泉として認定しながら、誤認の本質的判断を行わず、疑念の有無という条文外の要素に論理をすり替えて結論を導いている。

法的帰結:原判決は、不当寄附勧誘防止法3条3号が採る「説明状況」および「寄附者の理解」に基づく誤認判断構造を逸脱し、誤認否定の理由を「疑念の有無」に置き換えるという論理の飛躍を犯している。この結果、制度的帰結の説明を欠き、判決理由の論理構造が破綻しており、民事訴訟法312条2項6号の理由不備に明白に該当する。

 

1-6 説明義務発生後の反論欠如の看過

該当箇所:原判決は、前記1-1で引用したとおり、上告人が寄附前から「寄附金が児童性虐待訴訟の費用に流用されているのではないか」という疑念を抱いていたことを自ら認定している(原判決3頁12行目から15行目)。

問題点:不当寄附勧誘防止法3条3号および逐条解説(乙11)は、誤認判断の中心が「説明状況」と「寄附者の理解」にあることを明確にしている。

寄附者が疑念を抱いている状態は、説明が不十分で寄附者の理解が形成されていない典型的事情であり、誤認のおそれが高まるため、勧誘側には使途に関する説明義務が発生する。説明が尽くされなければ、寄附者の理解は形成されず、誤認の危険性はむしろ高まる。

したがって、原判決が上告人の疑念を認定した以上、被上告人には、寄附金が児童性虐待訴訟の費用に流用されていないことを説明する義務が発生していたことになる。

しかしながら、上告人が主張した「寄附金が児童性虐待の裁判費用に流用された蓋然性」について、原審において被上告人は「憶測にすぎない」と述べるのみで、具体的な反論理由を示していない。これは、説明義務が発生した後の完全な不履行である。

にもかかわらず原判決は、被上告人の説明義務不履行を全く検討せず、寄附者側に証明責任を残したまま誤認を否定している。

法的帰結:これは、不当寄附勧誘防止法3条3号が採る「説明状況」および「寄附者の理解」に基づく判断構造を看過したものであり、条文の趣旨・構造に関する法令解釈の誤りである。また、説明義務発生後の反論欠如という主要な判断要素を検討しないことは、判決理由の論理的連関を欠くものであり、民事訴訟法312条2項6号の理由不備に該当する。


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