ものみの塔裁判:上告理由書を公開——疑念を抱かせたり、調査を要させる時点でアウト。

疑念を抱かせたり、調査を要させる時点で・・・

ものみの塔と裁判をしていた件昨日の記事の続きで、私の書いた上告理由書を公開供養中。以下、第1章の原判決の「理由不備」について。

1-2 「疑念があった→誤認ではない」の法的根拠欠如

該当箇所:原判決は、前記1-1で引用したとおり、上告人が寄附前から疑念を抱いていたことを理由に誤認を否定している(原判決3頁12行目から19行目)。

問題点:「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律」(以下「不当寄附勧誘防止法」という。)3条3号は、誤認の成否を判断する要素として「疑念の有無」を予定していない。同条の判断構造について、「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律・逐条解説」(乙11・5頁19行目から20行目。以下「逐条解説」という。)は、「使途に関する説明状況」および「寄附者の理解」に基づいて誤認の成否を判断することを明確にしている。

したがって、疑念の有無は誤認の要件ではない。むしろ、寄附者が疑念を抱いたという事実は、使途や使用主体に関する説明が不十分で、寄附者の理解が形成されていなかったことを示す事情である。

さらに、逐条解説(乙11)の構造に照らせば、合理的疑念が存在する場合には、寄附者の理解を形成するための説明義務が発生し、説明が尽くされない限り誤認の危険性はむしろ高まる。

にもかかわらず、原判決は疑念の存在をもって誤認を否定しており、条文にも逐条解説(乙11)にも根拠のない判断枠組みを採用したものであって、不当寄附勧誘防止法3条3号の趣旨・構造に反する。

法的帰結:疑念の存在は、説明状況の不備と寄附者の理解の欠如を示す事情であり、誤認成立を否定する根拠にはなり得ない。原判決は判断枠組みを逆転させており、法令解釈として明白に誤っている。法令解釈の理由付けを欠く以上、民事訴訟法312条2項6号の理由不備に該当する。

 

1-3 「調査目的の寄附」は誤認を否定しない

該当箇所:原判決は、前記1-1で引用したとおり、「寄附の目的が調査であったから誤認は成立しない」と判断している(原判決3頁15行目から19行目)。

問題点:「調査目的の寄附」とは、寄附者が使途や使用主体に関する説明を十分に受けられず、理解が形成されていないために、その真実を確認しようとして行われる行動である。逐条解説(乙11)が示す誤認判断の基準である「説明状況」および「寄附者の理解」が欠如した典型的事情であり、誤認発生の蓋然性を高める事情に該当する。

したがって、調査目的とは、説明不足のため寄附者の理解が形成されていたとはいえない典型的事情であり、誤認否定の根拠にはなり得ない。

法的帰結:原判決は、誤認の成否を「説明状況」と「寄附者の理解」に基づいて判断するという不当寄附勧誘防止法3条3号の基本構造を逆転させたものである。理由付けを欠くものであり、民事訴訟法312条2項6号の理由不備に該当する。


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