ものみの塔裁判:上告理由書を公開、司法は核心判断から逃げるな。

審理不尽の第2章

ものみの塔と裁判をしていた件。最高裁への私の上告提起が受理されなかったため、私の書いた上告理由書を公開供養中。

第2章「審理不尽」。要するに司法は手を抜くなよってこと。もしくは司法は核心判断から逃げるなよと。

第2 審理不尽(民事訴訟法312条2項6号)

2-1 争点整理にない「心理状態」を主要判断にした点

事実関係:原判決は主要判断理由として「寄附前の疑念」という心理状態を採用したが、当該論点は争点整理に含まれておらず、当事者に反論・立証の機会が与えられていない。

問題点:争点整理にない論点を主要判断に用いることは、当事者の防御権を侵害し、審理を尽くしたものとはいえない。

法的帰結:争点外の主要判断に基づく判決は、民事訴訟法312条2項6号の審理不尽に該当する。したがって、原判決は破棄を免れない。

 

2-2 正体隠し・使途不透明性等の体系的核心論点の未審理

未審理の主要論点:正体隠し、説明義務違反、寄附金流用の蓋然性、海外送金の不透明性、主張転換、使途不透明性、文書提出命令の必要性等。

事実関係:不当寄附勧誘防止法3条3号前段は、「寄附の勧誘を行う法人等を特定するに足りる事項を明らかにする」ことを明文で義務付けている。

原判決は「寄附金の使途や使用主体等を誤認したが故に本件寄附を行ったものとは認めることができず」と述べ(原判決3頁18行目から19行目)、「使用主体」という語を用いている。

条文上の「法人等」の「等」には、寄附金の使途を決定し管理する使用主体が含まれることは明らかである。

したがって原判決は、寄附金の使用主体が要開示情報に該当するという法的前提を自ら認めている。

本件では、勧誘主体(被上告人)と使用主体(統治体)が異なり、統治体が児童性虐待訴訟で多額の賠償責任を負っている実態は寄附勧誘時に一切説明されていない。

一審で上告人が、海外の関連団体の児童性虐待訴訟について証拠提出したところ、被上告人は「当法人が関与していない裁判」と主張し、海外の関連団体の児童性虐待訴訟との関連性を明確に否定し、その訴訟の存在自体についても「正確性・信頼性が不明」として事実上否定していた(被告第1準備書面14頁12行目から13行目)。しかし、後に上告人が別の証拠(甲9~11)を提出したところ、統治体および海外の関連団体が当該訴訟で敗訴し多額の賠償責任を負っている事実を認めている(被告第2準備書面6頁15行目から16行目)。この重大な主張転換は、統治体の正体および寄附金の使用主体に関する情報が寄附勧誘時に伏せられていたことを強く裏付ける事情であるが、原判決はこの点について何ら審理・判断を行っていない。

統治体の正体が伏せられていたことにより、説明義務違反、寄附金流用の蓋然性、海外送金の不透明性、主張転換、使途不透明性といった誤認要素がすべて派生している。これは不当寄附勧誘防止法3条3号が想定する誤認発生の典型的事情に該当する。

文書提出命令の必要性も含め、これらの未審理論点はいずれも、統治体の正体が伏せられていたことを起点として相互に関連する体系的問題であり、単独ではなく体系として審理されるべき主要論点である。

問題点:にもかかわらず原判決は、統治体の正体が伏せられていたという条文上の核心論点について、何ら審理を行っていない。これは、寄附勧誘の適法性判断に不可欠な主要事実の審理を欠くものである。

法的帰結:寄附勧誘の適法性判断に不可欠な主要論点の審理欠落は、民事訴訟法312条2項6号にいう審理不尽に明白に該当する。

 

2-3 文書提出命令却下の審理欠落

事実関係:原審第一回期日(甲21)に対応する証人等目録(甲22)には、文書提出命令の申立ての採否について「否」とのみ記載され、却下理由も「必要性なし」と簡略に記載されるにとどまる。また、当該期日の調書(甲21)にも、文書提出命令の却下理由に関する記載は存在しない。さらに、原判決の理由中には、文書提出命令を却下した理由に関する審理・判断が一切存在しない。

すなわち、原審は文書提出命令の却下理由を調書・証人等目録のいずれにも十分に記載せず、判決理由中でもその必要性・相当性を全く審理していない。

問題点:文書提出命令は寄附の適法性(寄附金流用の蓋然性・海外送金の不透明性・使途不透明性)を判断する上で不可欠な核心証拠である。その却下理由を審理せず、必要性の有無について判断を示さないことは、重要証拠の検討を欠く重大な審理不尽(採証法則違反)に当たる。

法的帰結:文書提出命令の審理欠落は、判決の結論に直接影響を及ぼす手続違背であり、民事訴訟法312条2項6号が定める審理不尽に明白に該当する。

判例:最高裁は重要証拠を十分に検討しない判断は採証法則違反(審理不尽)に当たると判示している(最高裁平成18年11月14日判決・平成16年(受)2226)。

本件原判決は、文書提出命令の必要性・相当性について審理を尽くさず、同判例の基準に明確に反する。


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