元エホバの証人2世の高校デビュー
私は、中学2年生のときにエホバの証人を脱会。そして高校へ進学。この頃は、村民全員が知り合いのような地方のド田舎に住んでおり、私がエホバの証人の子どもであるというのは周知の事実だった。
この状態から脱するために、高校はできるだけ遠方の学校を選択した。専門性の高い学校だったために、学区外へ通うことができた。こうして、かつて私がエホバの証人だったことを知る人がいない環境へ進学。
ついに、エホバの証人でない自分として、高校デビュー。田舎暮らしが嫌で仕方がなかったので、都会(といっても地方の郊外都市だが)の学校へ通うことも楽しみだった。
そうして進学した私は、いまだエホバの証人だった両親から、聞きたくもないことを聞かされる。進学した先のクラスに、なんとエホバの証人2世が2人もいるという。片方は献身までしているという。
献身することでものみの塔崇拝という罪を犯すエホバの証人
エホバの証人の献身とは、バプテスマとも呼ばれ、キリスト教の洗礼のような儀式。
バブテスマを受けたエホバの証人は、身も心も何もかも全財産まで、ものみの塔協会に捧げるという誓いを立てることになる。表面上は、神エホバに対して献身なのだが、実質はものみの塔という組織に対しての献身。
エホバの証人信者たちは、ものみの塔という組織に対して献身し、知らず知らずに組織崇拝という罪を犯している。ものみの塔自身が偶像崇拝など神以外への崇拝を禁じている、というのが何とも皮肉な話。
元エホバの証人2世のトップシークレット
せっかく心機一転、エホバの証人と関係のない高校生活を送ろうと思ったのだが、同じクラスに2人もエホバの証人2世がいる。どうやら、そのクラスメイト2人も、私が元エホバの証人2世だと知っている様子。
エホバの証人の情報網というか、個人情報保護の倫理観欠如と噂話ネットワークはすさまじい。私のクラスにどこどこに住んでいるエホバの証人がいると、親から聞かされた。
クラス内で私の過去をバラされると、私の高校デビューという目論見がもろくも崩れてしまう。
打つ手もなく、私は新クラスメイトのエホバの証人2世たちの動向を探っていた。エホバの証人どうしで絡んでいるようだったが、私に対しては積極的に接触してこない。
しかも、クラスメイトに対しても自分がエホバの証人だと表明しない様子。たしかに高校になって、給食の前に合掌があったり、毎朝校歌を歌ったりといったことはなくなり、エホバの証人としてすごしやすい環境には思えた。
エホバの証人2世の過酷な学校生活については、エホバの証人2世の小学校生活
それにしても、こんなにも周囲に信仰を表明しないことが、エホバの証人として許されるのか?私以外のクラスメイトは、彼らがカルトの子だとは気付きもしないで卒業を迎えた。ちょっと内向きで、他とはつるまない奴らという印象だけ。
都会のエホバの証人は、隠れエホバの証人として生きていくことが許されるのかと、私は驚いた。これこそ隠れキリシタン!私も小学生の頃、踏み絵とかキリシタンといってバカにされた。屈辱的な記憶。
これはこれで都合がよく、彼らが積極的に自らがエホバの証人であることを明かさないのであれば、完全に人畜無害な存在。放っておけばいい。こちらはこちらで高校生活を謳歌するだけ。
このようにして、エホバの証人2世という過去をトップシークレットとして生きていく、私の新たな人生が始まった。
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