エホバの証人2世、恥にまみれた屈辱的な小学校生活

エホバの証人2世の子ども、灰色の小学校生活

私は、ほぼ生まれながらにしてエホバの証人という宗教の2世信者として育てられた。小学校高学年になると、エホバの証人2世という境遇が圧倒的な不運だと思い始めた。

エホバの証人2世である限り、明日は楽しみではなく、日常の景色は灰色だった。

2日か3日おきに抜群に退屈なエホバの証人の集会がある。この日は、放課後に友達と遊ぶことは許されない。集会の予習をしなければならないから。この集会では、1ヶ月に1回程度の間隔で割り当てというモノが回って来る。

エホバの証人の親が子供に勧誘活動をさせるのは虐待

割り当てとは、各信者が宗教勧誘の練習のため、聴衆となる大勢の信者の前で講話や勧誘の模擬練習をすること。これは、神権宣教学校という、ものみの塔の教育プログラムになっていた。

小学生の私は、一番初学の5分程度の聖書の朗読と講話をしなければならなかった。この準備も面倒だった。

エホバの証人の集会の日は友達と遊ぶこともできないし、集会の無い日でもエホバの証人でない友達と遊ぶことに対して、親は良い顔をしなかった。

集会の無い土曜日も、学校が終わった午後になるとエホバの証人の布教活動に出かけなければならなかった。

私が小学生の頃は、土曜日の午前中はまだ学校があった。途中で学校も完全週休2日制になったのだが、私にとって嬉しくも何ともなかった。結局、エホバの証人の布教活動に参加しなければならない時間が増えただけ。

私にとって小学校生活は、楽しみなど何もない灰色だった。

痛みを伴うエホバの証人2世の小学校生活

見える景色が灰色なだけならまだいい。私の小学校生活には多大な痛みが伴った。恥にまみれた屈辱的な小学校生活。

エホバの証人は、ものみの塔の厳格な教理に沿って生活することを強制される。それは子どもでも同じ。親がエホバの証人であれば、子どもも当然のようにものみの塔の戒律を強制される。

ものみの塔は、自分たち以外の宗教を一切認めていない。異教のモノとして批判の対象にしている。このため、エホバの証人は他の宗教臭のする行事すべてが禁止。行事の起源が、日本古来の神話に根ざしていたりするだけでNG。

小学校で行われる行事の都度、私は指をくわえて見学に回ることになる。節分、七夕、クリスマス・・・ほぼ毎週、何らかの行事を「できません」と、先生に告げて見学。これは抜群のストレスと恥ずかしさ。

もっとヤバいのは給食の前の合掌。合掌のポーズは異教由来ということでエホバの証人は禁止。私だけ、両手を握り合わせたキリストスタイルで目を閉じてエホバへの祈り。ほぼ変態。周囲の冷ややかな視線を浴びて食べる給食が、旨いはずがない。

私の小学校生活は、こうした恥にまみれた屈辱的なモノとして記憶されている。

エホバという人生の恥部をカミングアウト


“エホバの証人2世、恥にまみれた屈辱的な小学校生活” への6件の返信

  1.  はじめまして。僕も未信者の父と信者の母の元、21歳まで信仰を強制させられていました。学生の時にしかできない活動を否応なしに否定し、取り合ってくれず、参加できませんでした。弟と妹がいますが、妹はバプテスマを受けてしまいそうで心配です。
     クリスチャンの活動を辞めたいと言うと「ハルマゲドンが迫ってる」とか「弟と妹がいるんだからあなたが模範になりなさい」と言われていました。未信者の父が奮闘し、私を救い出してくれました。
     組織から離れて5年になりますが、時々子供の時にありのままでいられなかったことを、思い出し胸が締め付けられます。ブログ主様もそのような経験ありますか?またそういう時どうしていますか?私は親は許していますが、組織は許せません。

    1. コメントありがとうございます。私はエホバの証人をやめてもう25年以上経ちます。それでもかけがえのない子供時代に何をするにも不自由だったことや親からの愛情がエホバの証人2世であればという”条件付き”だと思っていたことを考えると、無力な子供の頃の私が哀れに思えて何とも言えない気持ちになります。
      失った時間やものみの塔協会のせいで離れ離れになった家族は取り戻すことは出来ませんが、今から始まる未来はどれだけでも変えることができます。そう思ってエホバの証人2世を止めてから楽観的な気持ちで生きてきました。また私には子供がいるので子供にだけは私と同じような思いをさせたくないと思っています。ありのままに自分で選んだ自分のやりたいことをとことん出来る環境で子供を育てたいと思います。

      1.  返信ありがとうございます。過去に囚われている時間がもったいないことは重々わかっているつもりですが、ふとした事がきっかけで思い出してしまいます。ブログ主様のおっしゃるように、変えられる未来に目を向けていきたいと思います!
         なかなか人に話せることではないので、このブログに出会え、話を聞いてもらえたこと感謝しています。また更新楽しみにしてます。

        1. エホバの証人2世というのは誰もが一生残る傷を抱えているのだと思います。簡単に忘れて洗い流せる過去では無いですよね。しかも誰に対しても打ち明けにくい過去だというのがさらに問題です。このブログが、読んでいただいた方が少しでも前向きになれる小さなきっかけになればと思います。

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