エホバの証人2世の洗脳からの解放
私は、生まれてから14才になるまでをエホバの証人として育てられた。14才のときにエホバの証人をやめると決断する。しかし、それでエホバの証人の洗脳から解放されたわけではなかった。
エホバの証人脱会後も、「エホバという神は存在し、その神がもたらす世界の終わりが間も無く来る」と私は信じきっていた。しかし21世紀初頭、私が20代前半のとき、インターネットでエホバの証人組織の偽善的な体質に気づく。
エホバの証人は真理を謳っている組織なのに、都合の悪いことを隠していた。その事実がたった一つあっただけでも、私の洗脳が解けるのに充分だった。
- かつて、ナチスヒトラーに迎合しようとして一蹴された
- 初代会長ラッセルの墓が現存し、しかも形状がピラミッド
- 輸血が解禁されている国がある
- 国際連合のNGOに加盟していた
どれか一つで充分だった。
エホバの証人組織は、真理から程遠い隠蔽体質で、裏表のあるカルト。信者が激ダサなのは騙されているから。当然、神エホバもキリストも存在しない。ハルマゲドンなど起こるはずもない。
洗脳が解けた瞬間、すべてが私の頭の中でつながった。
元エホバの証人にとって人生の障害となるエホバの証人的思考
私の洗脳が解けた21世紀初頭から、さらに15年近くの時が経過。現在に至る。最近になって、ようやくエホバの証人2世だったことを思い出して、当時のことを考えられるようになった。
エホバの証人2世だった苦々しい記憶は、必死に忘れようとして触れないようにしてきた。自分自身に対してさえも、デリケートに隠すように忘れようとしていた記憶。現在の私は、その極秘事項を掘り起こそうとしている。
結婚するときに、私がエホバの証人2世として育てられたことを、妻に打ち明けた。赤の他人に、かつてエホバの証人2世だったことをカミングアウトしたのは初めて。私にとってはトップシークレットだったから。
エホバの証人2世だったことは、私にとって人生の恥部だった。それでも妻は私と結婚することを望んでくれた。そして数年の結婚生活を経て、現在に至る。
信頼できる人物と、自分の傷を共有することは癒しにつながる。悲惨なのは自分だけではないと知ることも、治癒を助ける。他人の経験談を読むこともまた同じ。
私は、脱会後も深くエホバの証人の影響を受けていた。そして、それは良い影響ではなかった。必死に忘れようとしているエホバの証人に関係したモノに無意識下で支配されていた。
何事もかくあらねばならないという、決めつけ型のエホバの証人的思考。反エホバの証人、非エホバでなければならないという強迫観念に、私はやがて四半世紀ものあいだ縛られていた。
エホバから自由になろうとすればするほど、逆にエホバの証人的な思考方法に縛られる。この逆説的な束縛のせいで、私は自由に、自身の心のままに何かをするということが出来なかった。
自身の体験を客観視し、他者の経験と比較する過程で、最近ではエホバの証人の残した毒の効果も薄れつつある。
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