2世問題の性質の違い
『宗教2世』より。この本のタイトルが「カルト宗教2世」や「2世問題」でない理由が冒頭部分で説明されている。その理由は、問題のどこをスコープとしているかによる。
「カルト宗教は問題だが、伝統宗教には問題がない」といった語りは、既存宗教が持つ教義や規範によって葛藤した信者の苦悩を見落としてしまうことにもなる
とあり、本書では既成宗教による被害者にも目を向けるらしく。その場合は厳密には2世ではないケースが多そうだが。ここは守備範囲広め。
「2世問題」という言葉ではどうか。確かにこのフレーズは、より幅広い当事者を含めるものである。より包括的な議論を行うことが可能
としつつも
幅広さゆえに、「宗教」にまつわる特徴的な体験に絞った分析は厳しくなる
として、範囲を狭めている。
“2世問題、素振り100回しなくても、ハルマゲドンで滅ぼされない” の続きを読む

