エホバの証人の14万4000人の残りの者とは
ものみの塔協会の頂点に君臨するのが、統治体と呼ばれる組織。統治体は数人の白人の老人たちにより構成されている(※)。彼らは神により選別され、死んだ直後に天に昇りキリストの近くで地上を統治することになっている。
(※2023年追記、今では有色人種もいるのかな?アジア人はいないはず)
これは完全な創作、おとぎ話。統治体は作り話を掲げ、無数のエホバの証人の人生を弄んでいる。
ものみの塔の教理では昇天する聖者(こんな呼び方はエホバの証人はしないが)は、総数14万4千人と決められている。彼ら”天的級”だとか、”油注がれた”人々と呼ばれている。
この油注がれた人たちの中で、昇天前の地上での余生をおくっている人々が14万4000人のうちの”残りの者”。統治体の成員はもれなくこの残りの者に該当する。これらの生き残りの人々は、きっちり何人いるか数えられている。
エホバの証人の年に一度最大の式典である”主の記念式”で、残りの者はキリストの血肉の表象物である無酵母パンと混ざり物のないワインを口にする。この飲食者の数が、世界中からものみの塔本部に報告され、集計・発表されている。
キリストの最初の弟子たちである十二使徒以降、現代まで選ばれ続け、ちょうど我々が生きた20世紀に14万4000人目の選別が終わったというのがものみの塔の主張。1935年には最後の選抜が終わっているという設定。
つまりは、ほぼ20世紀中に残りの者は全員寿命を迎えることになる。1935年段階で成人、しかも円熟した年齢に達していないと昇天組に選ばれることはないから。
2008年のものみの塔協会の教義変更とは
残りの者が全員死ぬと、エホバの証人が楽しみにしているこの世の終わりハルマゲドンが来るということになっている。ハルマゲドンを生還するのはエホバの証人だけで、ハルマゲドン後の地球はエホバの証人だらけのパラダイスになるというトンデモ話。
私は20世紀のうちにエホバの証人をやめたので、ここまでしか知らない。ただ21世紀になっても当然ハルマゲドンは勃発していない。ということは残りの者の選び直しが続いているということになっているのだろう。
残りの者の選び直しとは、残りの者の補充。残りの者がエホバの証人的に罪を犯すと、神に背いたということで天的級から脱落する。その補充が今でも続いているということ。
そして、まもなく我々が生きているうちに、”ちょうど”最後の一人が死んで昇天、ハルマゲドンが起こるとされている。
※2021年追記~
実は2008年に教義の変更があり、残りの者の選抜はまだまだ続くということになったらしい。ハルマゲドンもしばらくは来ないので、エホバの証人は復活に命を掛けましょうとなったらしい。バカですか?
現世のすべてを捨て復活に命をかけるとか、現実逃避も甚だしい。人生はこれっきり。一度だけなんだよ。だから意味があり、価値がある。
統治体の予言は、時代ごとに現れる偽予言者の世迷言
14万4000人が全員死に絶えて昇天したときにハルマゲドンが起こるというのがものみの塔の教理。もうすぐ最後の一人が死ぬ。それで、”ちょうど”今が終わりの日、というのがミソで、現代は緊急的に特別な時代だと言うのが、ものみの塔の主張。
これが、時代時代ごとに現れる偽予言者どもの口癖。揃いも揃った凡人だらけの現代が、”特別”な終わりの時であるはずがない。こういう世迷言に騙されやすい人々がカルト宗教にはまる。
しかし、自分自身にとってだけは、自分の生きるこの時代は特別なもの。その今を精一杯生きるべき。自分にとって、自身の生きる時間が特別なのは誰にとっても間違いない。
そのためなのか、「現代は特別な時代だ」という言葉に騙される人々が、いつの時代にも存在する。どの時代にもそういった餌食となる人々が一定数は存在する。どの時代の、どの地域にもそういう騙されやすい人々がいる。
騙されやすい羊を喰いものにすることによって、楽をして生きていこうとする輩、また無垢の羊の上に君臨して、自己顕示欲や支配欲を満たそうとする小悪党も必ず時代ごとに出現する。そのうちのひとつがものみの塔の統治体。
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