ものみの塔のクリスマス禁止の無根拠を論破する、馬小屋は寒いのか？ / 元エホバの証人2世のいる場所

他の宗教の行事すべてを禁止するものみの塔協会

日本の小学校ではクリスマスから節分まで、あらゆるイベントが行われる。最近ではハロウィンも定着しつつある。

穿った見方をすると、消費活動を促すための販売戦略が公共の教育機関にまで伝染しているだけ。好意的な視点で捉えると、仏教の伝来を認めた日本人の異文化への寛容さの証しであるとも。単純に言えば、子供たちの楽しみ。

しかし、ものみの塔教会は他の宗教を認めておらず、冗談のようなイベントでもエホバの証人の子供は参加することが許されない。エホバの証人の子供は、ほんのちょっとでも他の宗教色のイベントは禁止。

エホバの証人の子供たちは、そういった季節毎の行事が行われる度に、先生にその行事に参加出来ない理由を説明しなければならない。そして、行事を見学するという屈辱的な時間を送る。

同級生が行事に参加したり、楽しみにしているのは羨ましい。しかし、それ以上に嫌だったことがある。行事に参加しない理由を同級生に聞かれたり、見学している途中で話しかけられたり、奇異の視線を浴びるのが私にとって何より屈辱的だった。

エホバの証人の子供は、クリスマスは本来キリストが生まれた日ではないので、クリスマス会に参加したり、クリスマスの歌を歌ったりすることは禁止。クリスマスは太陽神崇拝の異教由来なので。

「イエス・キリストが生まれたのは馬小屋で、よってキリストが生まれたのは真冬に馬小屋で眠れるほどの温かい時期だったんです」こんな具合に先生に説明しなければならない。

しかし学校の先生にしてみると、間違っているから、迷信であるからという理由がクリスマス会に参加しない原因として妥当なのかどうかはっきりしない。それをエホバの証人の子供に問いただす先生も存在する。すると、

「異教の迷信や行事は全て悪魔サタンが我々エホバの証人に向けて行っている誘惑の一種であり、そういった偽りの儀式に参加することでエホバへの信仰が弱まる怖れがあるため行えません」

エホバの証人の2世の子供は小学生の低学年のうちから、そこまで説明しなければならない。激ヤバな子供で、先生にしてみると「怖っ」となる。

そもそもクリスマスプレゼントを交換したり、クリスマスの歌を歌うくらいで揺らぎ始める信念が信仰などとは言えない。子供が学校行事に参加できず仲間外れになったり、いじめのターゲットになる方が重大な問題。

ところが、エホバの証人の親はそんな風に柔軟にものみの塔の教理を解釈しない。

エホバの証人にとっての信仰とは、神エホバへの信仰ではなく、ものみの塔が定めたクリスマスを祝わないという教理を律義に厳格に守ること。

一言一句違えずにものみの塔の戒律を守り、子供にも守らせようとするのがエホバの証人の親。

自らが批判するパリサイ人に成り果てているのがエホバの証人。エホバの証人は、エホバという神ではなくものみの塔協会を妄信している。エホバという神ではなく、ものみの塔という偶像を崇拝している。

そんな堅苦しい小学生であるエホバの証人2世に対して、同級生や先生からは好奇の眼差しが向けられる。エホバの証人の子供の心は痛み、病み、ますます固く、頑迷になっていく。

反論してくる先生は保身もあるのかも知れないが、多少の好意があったとしても、エホバの証人たちは、彼らが迫害者であると思い込む。

馬小屋で生まれたということは、キリストが冬生まれではない直接的な証拠になるのか？
出産という緊急事態に際し、とりあえず一番安全で暖かい場所が選ばれたのではないか？
1世紀当時の馬小屋は一般家屋に比べて寒かったのか？
馬は寒さに強いのか？
そもそも馬小屋で生まれたことすら伝説。真実かは定かではない。
日本の聖徳太子も厩戸皇子と言われ、馬小屋生まれになっている。高貴な人の生まれを馬小屋にするという東西を超えた神話のフレームがあるだけ。

そういった論理的な思考や単純な疑問をエホバの証人にぶつけても、説得は難しかしい。

ものみの塔の教理の妨げとなる行為や発言が出るのは、悪魔サタンの手先になっているからだと、子供でも思い込んでいる。これがものみの塔のマインドコントロール手法。この袋小路に陥ると一切話が通じなくなる。子どもの心を頑なにし、異なった考え方を寄せ付けもしないようなる。