元エホバの証人2世の女性が書いた『解毒』
エホバの証人脱会者の書いた『解毒』、「エホバの証人=毒、ものみの塔協会は信者を洗脳している」と、この本は書いている。全くその通り。
現役エホバの証人にとっては背教本ということになる。家族がいまだエホバの証人という人がこっそり読むなら、電子書籍がおすすめ。
大昔に読んで、本棚の中に隠してあったのだが、最近引っ張りだしてチラチラと読んだ。目に触れないよう本棚の奥に隠してあったのは、やはり自分がエホバの証人2世だったという事実が、デリケートで隠しておきたいことだから。
この本の著者は顔出し・実名で執筆。本の表紙にも大きく顔が映っている。私にはできない勇気と決断。やはり、かつてエホバの証人2世の子どもだったということは、私にとってはいつまで経っても人生の恥部であり、秘密にしたいこと。
エホバの証人の輸血拒否による児童殺人事件
まだ、序盤の方しか再読していないのだが、有名な輸血拒否「大ちゃん事件」から考察された、著者のエホバの証人の洗脳に関する見解。
正式に信者になるかどうかが分岐点なのではなく、当人がエホバの証人の教義を信じた時点で、洗脳は深刻なレベルに達している
バプテスマという正式な献身儀式を受けていない父親までもが、「復活がある」と、子どもの輸血拒否を譲らなかった。危険なエホバの証人の洗脳。わが子を見”殺す”決断をしてしまうほどの、思考停止状態。
親が自己中心的で未熟な人格をもっていたとしても、子供はその親にすがって生きるしかない。大ちゃんは、薄れゆく意識の中で、最後まで両親を愛し、信じていた。それは、十歳のこどもであれば、当然の反応
親が子どもに輸血をさせないのは、自分が罪を犯してハルマゲドンで死にたくないからという自己中心的な考えのせいだと、著者は書く。
これも一理あるのだが、信者の親にしてみれば、子どもが輸血という罪を犯すことで、永遠の命の授与権利が子どもからも失われると信じている。だいぶ痛いのだが、それも要因にはなっている。
親にしてみれば、わが子を愛していないわけがなく、自己の保身のためだけの輸血拒否でわが子を見殺したわけではないのだが、結果は同じ。
親のねじ曲がった信念を子どもに押し付けて、殺したということ。
エホバの証人に洗脳される人とは
全人類の大多数が滅びても「自分」は生き残る。「可愛い自分」は助かる。この摩訶不思議な教義に魅力を感じてしまう人が、結果的に洗脳の犠牲者となる
著者はそもそも、エホバの証人の洗脳に陥る人は「精神的に未熟」とも書く。ハルマゲドンで地球上の人が死んでしまって、自分たちエホバの証人だけで地球を独占することに喜びを感じてしまう未熟者だと。
「自分が可愛い」という、ある意味で自己中心的な人々が、この教団に入信する。他人の命なんてどうでもいいという感覚を持った人たちが、エホバの証人に洗脳される
エホバの証人の教理に感銘して入信した人たちは、そういう自己中心的気質。また、地球の浄化が素晴らしいという理想主義・完璧主義的な部分を持っている。最も邪悪な自己中心的発想なので、正義や人類愛の対局にいる人々。
「ハルマゲドンで地球の大掃除、その後の永遠の楽園でウハウハ」というのが真理だと言われて、それを確定した事実だと信じ込んでしまった人々。人類皆殺しを企てる、残酷な神エホバが愛溢れる神であるという矛盾に、気づけないほどに浅はか。
その愚かさゆえに、私の両親は真理を知らない人を救わなければと狂信的に活動した。本人は、利他的な愛情あふれるボランティア活動のつもりで、熱心にカルト被害者を増やし続けた。
親族や友人に対しても、「皆ハルマゲドンで死んでしまう」と、臆することなく信仰を表明した大バカ者。
結論とすれば、著者の言う通り、
ものみの塔に洗脳されるエホバの証人は精神的に未熟。自己中心的な気質であるか、相当な愚か者か。
『カルト宗教やめました。「エホバの証人2世」の私が信仰を捨てた後の物語』
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