良心に従い宗教を脱会するときに、立ちふさがるカルト要素

人生を妨げるカルト

何らかの態度を貫くとは

『良心の危機』、第1章「良心の代償」より。

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生涯が終わりに近づいてきた時、「少なくとも私は何らかの態度を貫き通した」と言うことのできる人の方が、何の立場も貫かなった人よりも満足感が大きい

当初、「ごもっとも」とうなづいたのだが、

かたくなにも「エホバの証人としての態度を貫き通しました」なんて人が出てくると困る。それは単なる自己満足で、ものみの塔の言いなりになっているだけ。何らかの態度を貫く美しい姿勢とは、対極。

頑迷なマインドコントロール状態を貫いて生きるのも、「何らかの態度の貫き」であろうと言われれば、それはその通り。しかし、それは残念極まりない生き方の貫き方。

その時々で柔軟にベストな対応を取るという態度だって、それを続ければ「何らかの態度を貫き」通したということにはなる。

結局はモノの見方しだい。エホバの証人には「家族に迷惑をかけない態度」を貫き通して欲しい。

『良心の危機「エホバの証人」組織中枢での葛藤』、回り道回避の一冊

エホバの証人を脱会すべきという良心

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『良心の危機「エホバの証人」組織中枢での葛藤』、回り道回避の一冊

回り道回避の『良心の危機』

『良心の危機』、もっと早く読んでいたら

今さらながら『良心の危機』を読み始める。私はエホバの証人の組織や教理の矛盾を感じて脱会したわけではないので、こういった教団の真実を暴露した本を読む必要が無かった。

ものみの塔やその教理が正しかろうが、自分の好きなように生きることこそ人間のすべきことだ、と考えてエホバの証人をやめた。人を殺めたり、モノを盗んだりしない限り、人間は自分の望む生き方をするのがベストで、これは普遍的真理だと今でも考えている。

なんでもかんでも押しつけてきやがる、エホバという神とものみの塔は鬱陶しくてたまらなかった。自然だらけの「楽園で永遠に生きるのが幸福です」って、しょうもないおバカな価値観を勝手に押し付けるなと。

この真理に、良い大人になってもたどり着かず、エホバの証人上層部に上りつめた人間が何を言ってやがるという感覚で、この本を手に取ることはなかった。
※本書はエホバの証人最上層の統治体成員として9年も活動した人物の執筆

今となっては、脱会直後にきちんと本書を読んでいれば、洗脳があっさり解けていたかも知れない、とちと反省。情報を集め、精査する姿勢が欠けていた。

『星の子』の両親、早く風呂入れ~世界を広げることの効能

2回の人生の回り道

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エホバの証人2世の子ども、親に対する条件付きの愛

元エホバの証人2世の親に対する条件付きの愛情

エホバの証人の子ども、条件付きの愛

私は、エホバの証人という宗教の2世信者だった。親を捨てる覚悟でエホバの証人からの脱会を決意したのが14才の秋、大昔のできごと。

エホバの証人は、エホバの証人しか愛さない。エホバの証人の親は、子が「エホバの証人であるなら」という条件付きの愛しか持っていない。そういった内容の昨日の記事を書いて以来、考えていた。

私は、異常に熱心なエホバの証人だった両親を捨てる覚悟ができていた。そんな冷酷な私のほうが、親に対して条件付きの愛しか持っていなかったのではないかと。悲しいが仕方ない。そんな薄情者だったから、今の自分がある。

エホバの証人の親は持たなくとも、子どもは持つと言われる無償の愛、無条件の愛が、私にはなかった。私の親に対する愛は条件付き。両親が「エホバの証人でないなら」という条件付きの愛情だった。

『解毒』~エホバの証人が持たない無償の愛

人生の答え合わせはできないのなら・・・

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カルト宗教家庭が、狂気のモンスターを生む理由とは?

カルト家庭が狂気のモンスターを生む理由

子どもに宗教を強制するカルト

「エホバの証人の親は条件付きの愛しか持っていない」とよく言われる。親に限らず、エホバの証人はエホバの証人しか愛さないよう、教団のものみの塔側からコントロールされている。

エホバの証人2世=親の宗教を押し付けられた子ども。エホバの証人2世のケースで、親の是認を得られるのは、子どもがエホバの証人であればということになる。それが条件付きの愛。

親に愛されたいと思わない子どもはいない。幼い子どもであればなおさら。親の保護がないと自身の生存に関わる。生物の本能として親の愛を得ようとする。

その立場の差を利用して子どもにカルトを押し付けようとするのだから、エホバの証人の親も、子どもを洗脳する方向に指導するものみの塔も、相当にたちが悪い。

宗教を信仰するか否かは子どもの自由だというのが、エホバの証人側の意見だが、保護者という地位を濫用しての宗教押しつけは、強要以外の何ものでもない。

さらに、私の世代のエホバの証人2世の場合には「懲らしめ」という体罰が横行していた。教団が主導し、親たちに子どものお尻を引っぱたかせていた。

生きとし生けるものはすべて、痛みに対してストレートに服従せざるを得ない。動物の調教と同じ。エホバの証人2世の子どもたちは、宗教の強要という人権侵害に屈せざるを得なかった。

カルト宗教2世被害者の「逆恨み」、理不尽な現実から安直な方法で逃避しない

カルト宗教2世の賭け

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カルト宗教2世被害者の「逆恨み」、理不尽な現実から安直な方法で逃避しない

カルト宗教2世、安直な道に逃げない

カルト宗教被害者の「逆恨み」

昨日までの記事でカルト宗教2世被害者のすべきことは、まずは自己の生還、楽しく生きている姿を見せること、最低でも「やめて良かったカルト宗教」の境地に至ることと書いた。

我々のすべきことは、暴力というその場限りの安直な復讐では決してない。その暴挙に向けるエネルギーを自身の生還に使い、それでもカルトに対してわだかまりが残ったら、というのが本日の話。

今回の安倍元総理銃撃事件の容疑者同様、私にも、ものみの塔を恨む気持ちは強くある。限りなく大きく。しかし、その巨大な恨みは、あくまで私怨であり、傍から見れば「逆恨み」と言われちゃう。

カルトとは言え、正式に認可を受けた宗教法人であり、拉致とかテロとかはどちらのキョウカイも恐らくはやってないわけで。
※2025年追記。もうすぐ解散しそうなほうのキョウカイは拉致まがいはやってる?

多額の寄付や時間を搾取されたのは、「お前の親が愚かだっただけ」と言われれば、ぐうの音もでない。こうなると、終末論で恐怖を煽られて騙されていたとはいえ、カルト被害者の恨みは、しょせんは「逆恨み」。

カルト宗教”2世”被害者の場合も、「逆恨み」

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安倍元首相銃撃事件から考える、宗教2世被害者の復讐

宗教2世の生きる道

元エホバの証人2世、もう一人の自分が起こした事件

安倍元総理が銃撃された事件。容疑者が、特定の宗教団体に恨みがあったと供述していることで様々な憶測を呼んでいる。

容疑者が宗教2世であったという仮定で話を進める。

私も同じ境遇で、ものみの塔協会=エホバの証人という宗教の2世信者だった。このカルトのせいで家族は崩壊、私の子ども時代は宗教を強要された悲惨なものだった。

今回の事件の容疑者は、私とほぼ同じ年齢。背格好も似ていて、取り押さえられる瞬間の映像を見ていると、まるでもう一人の自分を見ているような気すらしてくる。

宗教を恨み、世間をひがみ、世界を呪っていた頃。あのままの私だった場合。そのまま20年という時がたち、孤独と憎しみに満ちた人生に行き詰まったら。失うモノのない、持たざる人間の恨みの発散。

私は、たまたま新しい家族に恵まれ、何とか社会復帰をしたものの、そうではない野垂れ死に上等という生き方を続けたまま、人生の後半に差し掛かろうとしていたら。

エホバの証人は政治とは結びつかない建前なので、特定の政治家の票田にも金づるにもならない。憤懣やる方ない感情の発散先は、今回の容疑者のように政治家には向かず、宗教そのものへ向かう。

近所のエホバの証人の王国会館という集会所や日本の支部本部がその矛先に。

もう一人の自分の可能性を見て、ゾっとするのと同時に、涙が出そうなほどに容疑者の生涯に悲しみを覚えた。

宗教2世被害者が、宗教に対して復讐する方法

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安倍元総理銃撃事件、宗教2世被害者のなすべきこととは?

安倍元首相銃撃事件と宗教2世

元エホバの証人2世のすぐ隣で起きたテロ事件

安倍元総理が銃撃され亡くなった昨日の事件。本ブログの主旨とは関係ないのでいつも通りの通常運転でいこうかと思っていたのだが・・・

安倍元総理死去 山上容疑者「ある特定の宗教団体に恨みがあった」

といった記事を目にする。

全く関係のないテロ犯罪かと思っていたら、お隣さんくらいに近しい場所で起こった事件の可能性もあったわけで。

詳しい事情は分からないので、容疑者が宗教2世被害者であると想定して話を進める。ものみの塔じゃない東アジア発祥の○○教会のほう。

エホバの証人の洗脳からの覚醒体験

エホバの証人2世のマインドコントロールが解ける瞬間

宗教2世被害者の生き方

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『無理ゲー社会』、世界転覆という陰謀を抱くものみの塔

陰謀論に支配されるエホバの証人

現実の代わりに、自身の認知をカルトに寄せるエホバの証人

『無理ゲー社会』、AmazonのAudibleで聴く。

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誰もが知っているように世界には不公正なことがたくさんあり、その多く、あるいはほとんどは個人の努力では変えられない。しかし、それを放置しておくと無秩序な世界からの脅威に常にさらされることになる。

だったらどうすればいいのか?現実が変えられないのなら自分の認知を変えればいい

これにズドンとハマってしまったのがエホバの証人。世界に理不尽がはびこるのはなぜか?

「今が終わりの日だからですー」「サタンですー」と。安易な地点に着地してしまう。

世界は混沌としていて、善も悪も紙一重。恐ろしい犯罪者にも優しい父親の顔はあるかも知れないし、いつもは優しい人にもどこか残虐な面があるかも知れない。

自分の判断の及ばないモノがある。知らない世界がある。自身の無知を認めることが知への第一歩であるのに、安直に結論を急ぐからカルトに堕ちる。

『星の子』の両親、早く風呂入れ~世界を広げることの効能

『一九八四年』~塔から与えられればどんなに愚かしいことでもそのまま信じられるエホバの証人

陰謀論にハマるエホバの証人

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『星の子』の両親、早く風呂入れ~世界を広げることの効能

世界を広げろ

ズレまくりのカルト親、早く風呂入れ

『星の子』、映画版を見て後味が悪いと言っていたわりには原作にも手を出してしまった。AmazonのAudibleで会員無料だったので聴く。こんなにも惹かれてしまうのは、宗教2世問題の占める割合が私の中で大きいからか。

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主人公の両親は宗教にハマり途方もなくズレている。ラストシーンを聴きながら、私は「早く風呂入れ」とずっと突っ込んでいた。そんな親のような者でも、子どもを愛している。この愛が宗教2世の子どもの足かせとなる。

親の信じちゃっているモノを否定できない。親の愛を拒絶できない。ゆえにカルトから逃げられない。

私はカルトにハマる親を捨てる覚悟で、エホバの証人を脱会した。しかし、当時は相当に悩んだ。私自身も洗脳され、カルトを信じちゃっていたのだが、それはさほど関係なかった。

信じちゃっている神から裁かれようが、それは私自身の問題で覚悟を決めるだけ。甘んじて裁きを、死を受け入れる。

ただ、親の期待や愛情を裏切るのは難しかった。決断はできていて、実行に踏み出せないままひたすら時が過ぎた。

そうしてダラダラと脱会出来ないままカルトの中で時を過ごすと

薬を飲まされ、ICチップを埋め込まれ、催眠術をかけられ

高額の壺や水晶を買わされ、輸血拒否で殺され、人生のすべてを失うことになる。

世界を広げることの効能

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子どもの命を差し出すものみの塔狂信者、エホバの証人

エホバの証人の狂信

まるで死神の如く、病院に集まってくるエホバの証人

『説得 エホバの証人と輸血拒否事件』を読了。

出血多量の重症で病院に運ばれたエホバの証人の少年。信者の両親がエホバの証人の信条により輸血を拒否。輸血すべきか否かの狭間で悩む父親に対し、病院に駆け付けた信者がこう言う。「第十一章 説得」より。

あなたの意思にお任せします。自分でお決めになって下さい。それが信仰というものなんです。そうやって強くなっていくんです

強くなっていくというより、マインドコントロールを深め、無自覚、無感覚になっていく。親・大人・保護者としての自覚を失い組織の言いなりになる。子を失う痛みすら薄れていく。

エホバの証人たちは、「輸血を拒否して子どもを死なすか否かは自分で決めろ」と言いつつ、大挙して病院に押しかけプレッシャーをかける。輸血をすれば、戒律違反になると。そして、組織の掟を破ればどうなるか分かっているな、と圧力をかける。

そして、エホバの証人の少年は亡くなった。

エホバの証人の信者たちが病院に駆け付けているのは、無論心配して、何らかの助けにならんとして。さらに、無輸血対応する病院への転院という目的も。

しかし、本事件の結果から鑑みると、エホバの証人たちは第一の目的として輸血を拒否させるために病院に駆け付けることになった。

エホバの証人が輸血が必要な状態になると、輸血を拒否して命を落とさせるために、信者たちがわらわらと病院に集まってくる。まるで死神。

親であって親ではないエホバの証人(JW)、親のような者

子供の命を差し出す狂信者、エホバの証人

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