エホバの証人の統治体、いいかげんな決議
『良心の危機』より。昨日の記事では兵役拒否の代替公務、それをエホバの証人が認めるか否か、その変遷があったことを書いた。さらに、代替公務禁止期間に実際に投獄された信者も存在した。
1978年に統治体内で「代替公務」解禁が議論になった際の詳細も本書に書かれている。
1978年のあの時、一人の統治体のメンバーが意見を変えなかったならば、今挙げた人たちの誰一人監獄行きにはならなかっただろう。
こうした人たちは良心的な理由で監獄行きになったのではない。組織に強制された方針に従ったのである
この意見を変えた統治体メンバーというのはロイド・バリー。本書では「代替公務」議論におけるロイド・バリーの優柔不断エピソードが描かれている。本書の脚注も参考にされたい。
ロイド・バリー君、一旦は代替公務解禁に賛成するものも、休憩を経て「やっぱやめた」となる。これで三分の二を下回り、全世界のエホバの証人が収監されることに。その後の再決議の際には、まさかの離席といういいかげん野郎。
バリー君、再登場
このロイド・バリー君。何か別の本でも出てきたなと思い出してみる。それは元エホバの証人2世の骨太論考集『エビのしっぽ』。著者が助けを求めてニューヨークに渡った際に登場。
集会後にロイド・バリー爺さんのところに行ってあいさつ、そして会衆内に今問題があって姉妹たちが排斥されそうで困っている。しかも長老はセクハラをして・・・なんて話をしたら、手で制止され
「私には力がないんです、ごめんなさい」
と。やっぱバリー君、ロクな奴じゃねぇ。力があろうがなかろうが困っている奴がいたら親身になれよと。しかもお前を頼ってはるばる日本から来てるんだぜ。
バリー君は、かつて25年間もエホバの証人組織の日本地域を監督したいたらしい。私も子供の頃に教団の大会で講演を聞かされたことがあるのかも知れない。
片言の日本語で「アナタハ神をシンジマスカ?」みたいの(イメージ)だったり、英語の後に日本語の通訳が続くタイプだったり、何かそんなのを聞いた気がする。
このバリー君が兵役の代替に中途半端な態度を取ったのは、日本という兵役の無い国に長く滞在していたからなのかと想像する。単に現実を知らないとか、無興味・無関心。要するに投獄される信者のことなど他人事だった。
力の有無はともかく、末端の信者のことなど知ったこっちゃない。統治体様様ってこんな感じなんだぜ。それでもアナタハこの宗教をシンジマスカ?
『エビのしっぽ』エホバの証人二世の論考集~オレにゃ正義感がない