エホバの証人の教育方針
私は物心ついた頃からエホバの証人の2世信者として育てられた。
エホバの証人とは通称JW、自称キリスト教系の新興宗教。日本国内ではものみの塔聖書冊子協会という名称でも知られている。アメリカ合衆国由来のカルト。
2世信者とは親の宗教を押し付けられる子どものこと。
私がエホバの証人として子ども時代を過ごした1980年代、信者の子どもたちに通常の教育は不要という風潮があった。そのため、私は幼稚園や保育園といった幼児教育を一切受けていない。義務教育だけは仕方が無いので受けさせるが、高等教育は不要であるとされていた。
エホバの証人が子どもへの教育を軽視するのは、まもなくハルマゲドンというこの世の終わりが来て、世界の仕組みが全部無くなるという理由から。勉強して、学歴を身につける必要などないと考えられていた。決して、学歴だけが教育の成果ではないのだが。
これは、私がエホバの証人をやめた1990年代前半頃までのこと。
ものみの塔協会、ノストラダムスより焦っていた
結局、ものみの塔が予言していたハルマゲドンは、20世紀中には当然のように起こらず、21世紀が順調にやってきた。ノストラダムスの予言同様に、ものみの塔の大予言も大ハズレ。(ノストラダムスの大予言で騒いでいたのは日本人だけらしいが)
20世紀に、「今すぐに終わりがくるからと」言われ、中卒で教育を終えたエホバの証人の2世信者は今頃どうしているのだろうか。
学歴が人間の価値を決めるすべてではない。とはいえ、周囲の一般の子どもたちが簡単に手に入れていたモノをあえて手放すという、無謀な生き方に意味を見出すことなどできない。それができるとすれば、深く深く洗脳されたエホバの証人の2世信者だけ。
1990年代後半になると、どうやらハルマゲドンが来ないということを、教団上層部も悟った。もっと早く気付けよという話だが。
そこで終末の予言は訂正され、緩やかな未来、それでも近いうちにハルマゲドンが起こるということになった。ものみの塔は、あやふやな予言で信者を騙し、搾取し続けることを選んだ。信者の人生を弄ぶものみの塔に自浄機能は無い。
この頃、1990年代後半の私は、14才でエホバの証人を脱会。エホバの証人の毒親から一刻も早く独立したく、中学校を卒業したら親元を離れる覚悟もしていた。
2世信者がエホバの証人をやめるということは、深いマインドコントロール状態にある親との決別を意味する。私は若気の至りで中卒上等だと考えていた。
同時期に、信者の学歴が低すぎると寄付金を巻き上げるのに不都合ということに、ものみの塔は気付いたのだろうか。そのため、工業系など職能のための高等教育は、生活の糧を得るためなら受けても良いという風潮に変化。
私はこれに乗っかって何とか短大卒まで、エホバの証人だった両親に面倒を見て貰うことができた。ギリギリセーフ。綱渡りの10代だった。
“中卒上等のエホバの証人2世、綱渡りの10代の進学” への2件の返信