『ドアの向こうのカルト 九歳から三五歳まで過ごしたエホバの証人の記録』
元エホバの証人2世信者の脱会本。絶版なので、読むなら中古で。
著者の洗脳解除の瞬間、覚醒と表現されている。頭の中にこの文字が現れたという。
「オマエハ シュウキョウノ センノウカラ トカレタ」
この作者の場合は極端だが、洗脳が解ける瞬間というのは、私にとっても分かりやすい体験だった。
洗脳からの覚醒体験の現れ方は、本人の趣味嗜好によるところが大きいと思われる。著者はSF系の映画や漫画が好きで、それらに影響されている所があるのだろう。
エホバの証人の洗脳解除覚醒の瞬間
私の洗脳からの覚醒体験は、インターネットを見ていて
「ラッセルの墓はピラミッド~♬」という記事を見て、ピンときた。頭の中ですべての疑惑が一瞬でつながった。
エホバ = 架空の存在
統治体を頂点とするものみの塔 = 大ウソつき、組織ぐるみの隠蔽体質
エホバの証人 = 騙され搾取されている人々、オウムや統一教会などのカルト信者と同じ
一瞬で結論が出て、数々の疑問の答えが出た。
ハルマゲドン = 来ない
この世の情報はサタンなので避けろ = ものみの塔による情報統制
エホバの証人の王国会館が病人だらけでサムイ奴らが多い = 騙されている弱者の集団で、思考停止して自分で考えることを止めた現実逃避者の集まり
エホバの証人の覚醒後にやってくる絶望こそ、人生の真理
マインドコントロールからの覚醒体験はある種スッキリする。しかし、その後絶望がやって来る。
過去のエホバの証人としての行為すべてが無駄というか、世間に害をもたらした罪ですらあった、という厳しい現実を叩きつけられることになるから。
しかし、それも致し方ない。
絶望から逃げているだけでは、前進できない。
エホバの証人たちが騙されているのは明らかなので、災厄を撒き散らしつつも、本人たちも被害者。情状酌量の余地はある。
しかし、聖書にも書いてある。「蒔いたモノは刈り取れ」と。エホバの証人は、人々を騙した罪は償わねばならない。
とはいえ、幸い日本ではエホバの証人活動が罪に問われることはない。エホバの証人としての罪を清算するには、いい環境。
現役エホバの証人は脱会して、厳しい現実に叩きのめされるべき。それが人生。エホバの証人を何十年もやっていたというのは、崖っぷちの絶望的状況だが、人生はそれでも価値がある。家族に詫びを入れ、エホバの証人でない人生をやり直すべき。
だって、そうしないと本当に人生の無駄遣いで終わるよ。ハルマゲドンは来ないし、楽園での永遠のイノチなんて嘘なんだから。
洗脳解除の瞬間は気持ちいい。スッキリする。その後のことは、その後で考えればいい。今の日本なら、エホバの証人みたいな生き方をしていても、喰いっぱぐれることはない。何をしてでも生きて行ける。
“エホバの証人の洗脳からの覚醒体験、そして絶望せよ” への3件の返信