エホバの証人2世の物的被害

病気の記憶が楽しい記憶

私はほぼ生まれながらにしてエホバの証人2世として育てられた。週に3回もあるエホバの証人の集会には私も必ず連行されていた。高熱が出るような状態でないと集会を休むことは出来なかった。ちょっとした風邪くらいだと絶対に休ませて貰えなかったので集会を休んだことはほとんどない。学校を休んだ回数の方が圧倒的に多い。

子供の頃の私は本当に数えるほどしかエホバの証人の集会を休んだことが無かった。だから両親が集会で家を空けて高熱の出ている自分が家で留守番をしている状態をまざまざと思い出すことができる。エホバの証人の集会に行かずに好きなだけテレビを見ることが出来るのが嬉しくてたまらないのである。

しかし寝ないでこっそりテレビを見ていたのが両親にばれると酷く怒られるので両親が帰って来る30分前くらいにはテレビを消して布団に潜り込んでいた。テレビの熱を冷ますためである。14歳のときに初めて集会に行かないと両親に告げて一人で家に残った際の激しい喜びはそれ以降感じたことがないくらいである。これからはこの時間を自分のために使えるのだ!





エホバの証人2世の受けるダメージ

エホバの証人の集会は退屈で仕方がなかった。しかしそういったことを顔に出す訳にも行かず親に決められた回数は注解するために挙手をしてみたり、真面目な顔で公開講演のノートを取ったりという日々だった。これを物心ついた時から中学2年生になるまで続けていたのである。恐ろしく不毛で狂気を感じる。

王国会館に行くために無駄になった時間は少なく見積もっても週に8時間である。2時間の集会が2回、1時間の集会が1回、それぞれの曜日の集会に通う往復の時間と集会前後の交わりや掃除の時間を1時間としても週に8時間である。実際はもっと多くなるだろう。

これに集会の予習や割り当てと呼ばれる自分が講演の真似事をしなければならないときの準備の時間が加わる。合計して週に10時間くらいだろうか。1ヶ月でざっと50時間である。

さらに伝道奉仕活動の時間を加える。土曜の午後に3時間、日曜の午後に2時間である。週に5時間、月で25時間となる。実際には小学校に入る前は正規開拓者だった母に伝道にもぬかりなく連行されていたのでこんな時間では収まらない。正規開拓者だと年間1000時間はものみの塔協会の伝道活動に費やさねばならないのである。

集会とその予習などにまつわる時間50時間と伝道の25時間を足すと月間で75時間はものみの塔協会ために時間を浪費していたことになる。これが年間だと900時間になる。私がエホバの証人をやめたのが14歳なので900時間×14年=12600時間という膨大な時間になってしまう。少なく見積もってこの時間である。

この時間で何を出来たかと今考えても仕方がないことは重々承知なのだが惜しい時間だったことは間違いない。時給1000円で計算しても簡単に一千万円を超えるのだ。恐ろしく貴重な時間である。エホバの証人2世として育てられたことの精神的なダメージばかりが目に付くのだが、実際には時間という取返しのつかないダメージも大きいのである。


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