独善的な組織や人に近寄るな
AmazonのKindleで読める『てい少年と悪魔サタン』
元エホバの証人2世信者の自伝的小説。作中ではエホバの証人と明かされていないが、間違いなくエホバの証人の話。
話も終盤になり、少年は嫌々やっていたエホバの証人活動に根を詰めることにする。それはつまり、ものみの塔協会の求める生き方をするということ。
教団は実質、自分で考える事を否定し教団が与える情報を真理として受け入れる人間のみを認めた
自身の供する情報だけを信じろという独善性。人の意見を取り入れられない、こんな組織や人間に発展はない。近寄らないに限る。泥船に便乗して人生の全てを損なうことになる。
私もマジメにエホバの証人になろうかと思ったことが何度かあった。少年の頃。10才とか12才とかその頃。それは果たして自分で決めて考えたことだったのだろうか？
エホバの証人になるという決断をする段階で既に洗脳下
幼いころから直感で感じ取っていた教団の偽善的なうさんくささは見て見ぬふりをし、抵抗をやめ教団の敷いたレールをただ走ろう・・・そう無意識のうちに考えていた。その結果として色々自分で考え、選択と決断をし、自分でその責任を取るというごく当たり前の一人前の大人としての尊厳を失った
これが洗脳。人権を失う結果になる。著者は自分で無意識のうちに、逃げるようにこの生き方を選んだ、というようなニュアンスで書いている。あくまで逃避したのは自分であると。その結果、自分で考えるのをやめざるを得ない洗脳状態に堕ちたと。
とはいえ、これは追い込まれるように、カルトに逃げ込むという決断を「させられた」と考えた方がいい。カルトに走るという決断をした時点で洗脳下にあったということ。
子供の頃から体罰を受け、恐怖心を刷り込まれ、親から無条件の愛を感じられなかった。学校では、選挙や季節毎の行事に参加できませんと表明することで、変り者という子供にとって多大なコストを支払う。
この結果、エホバの証人二世の子供は究極に自尊心を失う。この状態で成長すれば、カルトを抜け出す気力・体力は根こそぎ奪われる。もはや搾取されるだけの奴隷。一旦奴隷になると奴隷状態からは抜けられない。楽だから。
人間を極限に追い込んで、追い込んで、限界スレスレの精神状態にすれば、その人間の操作は容易い。マインドコントロールの常とう手段。
ハルマゲドンの恐怖で脅し、楽園での永遠のイノチという餌で釣る。エホバの証人組織内の見かけだけの人の暖かさで騙し、特権を小出しにして操る。ここ以外に居場所がないと本人が思い込めば、洗脳の完成。その状態から抜けるのは困難。
エホバの証人をやめるべきは「今」
この本の著者は、自分でエホバの証人レールを走ることを選んだと思っているが、周到に路線変更する機会を先回りして潰された結果。
それでも、私のように14才でエホバの証人の親を自分の人生から切り捨てる覚悟を決めれば良かったのだが、誰もがそう簡単に肉親を捨てられる訳ではない。
どちらかと言えば、私自身がものみの塔以上に独善的・冷酷だったのかも知れない。結果、その性格の悪さが幸いしたのだが。毒を以て毒を制すということだろうか。
毒親でも親は親。親を捨てるのはある意味間違っているとも言える。こうして、エホバの証人の子供は、自分でエホバの証人になる道を選んだと思い込まされてしまう。だが、その決断をした段階で既にものみの塔の支配下にあっただけ。
だから、未だエホバの証人をやめられずにいる人は自分を責めないで良い。どうしようもなかったことだから。これは二世信者に限った話ではない。自分でエホバの証人になった人も同じ。弱った状態を付け込まれ、もう戻れない所まで追い込まれた。仕方がなかったこと。
エホバの証人をやめられないあなたが悪い訳ではない。堕ちたときの環境と、騙しと洗脳のスペシャリストのものみの塔協会にやられただけ。
自分を責める必要はないが、今、行動を起こす必要はある。エホバの証人をやめるという行動。今まで行動できなかったのは、あなたの決断力が無かった、現実逃避していたという訳ではない。環境ゆえに仕方なく悪人たちに騙されていただけ。
だが、今から先は違う。今から先の未来もエホバの証人をやめないのは、まさに現実逃避であり、悪事への加担を自ら行っているということ。ここまで読んだからには脱塔に向けた行動を始めるべき。
でなければ、それはただ逃げている、あなた自身の責任である。現実逃避しカルト被害者を増やすという罪を犯していることになる。
組織に籍を置いているだけでも同じ。一切寄付をしていなくても、伝道者何人と含まれて発表される。それで良いのか？悪の手先のメンバーとして計上されて構わないのか？
エホバの証人の家族を捨てろとまでは言わないが、何らかの行動を始める必要はある。（私は、エホバの証人をやめるためなら、信者の家族を切り捨てるのもありだと思うが。もちろん手順を踏んだ上で。）是非ご相談を。
