『図解 聖書』は正しい聖書の勉強のやり直しに
ものみの塔協会に騙されていた人がエホバの証人をやめた後は、以下のパターンに分かれる。
- ①一般的なキリスト教会に通う人
- ②濃く他の宗教に走る人
- ③薄く色んな宗教に馴染む人(一般的な日本人)
- ④宗教嫌い、キリスト嫌いとなる人
電子書籍で読んだ『図解 聖書』だが、エホバの証人をやめて何年も経ち、聖書のことはすっかり忘れてしまっている人におすすめ。ズバリ私にピッタリだった。AmazonのKindle Unlimited会員なら無料対象だった。
ものみの塔のマインドコントロールから脱出して、キリスト教や聖書を毛嫌いする気持ちもやっと一服という人におすすめ。上のマトリックス表で言うと④、③、もしくはその間くらいの人におススメ。聖書の構成通りに漏れなく説明されているので、正しい聖書の勉強に最適。
ものみの塔の製作した新世界訳聖書は独自翻訳の偽物で、さらに有害な宗教本が聖書の誤理解を促進している。そのため、エホバの証人の頭に叩き込まれた聖書知識は誤ったもの。その誤った理解をクリーンなものに入れ替える必要がある。
一方、この本は聖書の全文を網羅しているので、子細部分は簡易的にならざるを得ない。もっと詳細を知りたいという人は、都度欄外に関連書籍が紹介されているのでそちらを参考にされたい。
やはり聖書は、世界中で一番読まれたベストセラーであることに間違いはない。美術館や史跡を旅行で訪れても、聖書を題材にした作品や聖書の舞台であることが多い。
元エホバの証人というだけで、そういった場所に嫌気がさすというのはもったいない。そこまでものみの塔の被害を受けることもない。この本でも聖書に関連する場所や美術作品がコラム形式で紹介されている。
取り戻したい聖書とキリスト教に関するバランス感
ものみの塔の宗教本は、極端に偏った見方で聖書を冒涜している。聖書を自分たちの組織に都合の良いように解釈している。聖書を教団の組織維持のための道具にしている。
エホバの証人の使っている新世界訳聖書は、能力の低い翻訳者によって訳されている。そのせいで冗長な部分や意味が翻っている誤訳すらある。意味の誤用は故意の部分もある。たとえば、三位一体に関する記述など。
エホバの証人は聖書研究というが、エホバの証人の研究の内実は、ものみの塔の宗教本研究。エホバの証人がものみの塔研究に充てた時間は膨大過ぎる。ゆえに深く深くマインドコントロールされ、誤った聖書理解に導かれている。
中立な視線や、反ものみの塔的な立場で書かれた本を読んでいかないと、我々の聖書に対するバランスを正常に戻せない。
聖書を冷静に考えることが出来る一冊
この『図解 聖書』を読んで思ったのは、聖書の神の恐ろしさ。旧約聖書に出てくる神は不条理そのもの。
人類の原罪は知恵の実を食べたことだが、喰ったらいけないものは目につかないようにしておくべき。歩き始めたばかりの子供がいれば、まともな親なら危険なモノは隠しておくはず。
旧約聖書の神には愛情や思いやりの欠片もない。エホバの証人のイメージする、愛に溢れる神の姿とはほど遠い。
大洪水で世界を水没させ、異教徒の街を滅ぼし尽くす。何度も自らの民に試練を与える。つまり、ものみの塔が存在を主張するエホバは、愛すべき全人類を再び全滅させようとする破壊神であり、ツンデレ野郎。
新約聖書を読むとキリスト教がユダヤ教から派生したものであることが良く分かる。キリストが扇動し旧勢力を攻撃。当時キリスト教は新興宗教だった。そして、全ての民が救われるという単純さで全世界に信者を増やし、現在に至る。新興宗教や、今では市民権を得た宗教の勃興期にありがちな単純さ。
近代に生まれたエホバの証人は、もとは新興宗教のキリスト教から派生した、さらなる新興宗教の一派に過ぎない。エホバの証人だけが真理を知るというのは明らかな幻想。
エホバの証人をやめた人・やめたい人におススメの他の本
“エホバの証人(JW)には聖書知識の再インストールが必要” への5件の返信