エホバの証人の昇天するというおこがましい妄想
私が子供の頃に連れて行かれていたエホバの証人の会衆に、急に油注がれてしまった老婆の信者がいた。油注がれたとは、後述するがエホバの証人の教義のこと。
その老婆姉妹(エホバの証人は男性の信者を兄弟、女性の信者を姉妹と呼びあう)の息子と娘は、既に成人していたがエホバの証人としてものみの塔協会に献身していた。その老婆も正規開拓者としての活動にもう何十年も従事していて会衆内でも一目置かれるベテラン信者。
エホバの証人の油注がれた人々の教義は特殊。14万4000人の神により油注がれた人々は、死後に昇天しキリストと共に地上を統治する設定。何ともおこがましい傲慢さだが、彼女ならそれにふさわしいのではないかというのが会衆内の人々の所感。
それほどその老婆姉妹は会衆内で幅を利かせていた。会衆内で信者の尊敬を得ているという感覚が、この老婆のおこがましい妄想に至るきっかけとなる。
エホバの証人の老婆の悲しい妄想~油注がれちゃったという勘違い
男尊女卑のエホバの証人組織
エホバの証人組織は男性社会である。エホバの証人は人々を統率する権限を”かしらの権”と呼ぶ。このかしらの権が女性に与えられることはない。教団内で出世するのは男性信者だけ。
エホバの証人は出世とは呼ばず”特権”と呼ぶ。献身した男性信者は”奉仕の僕(しもべ)”→”長老”と出世というか特権を増していく。しかし、女性信者にはそういった役職が与えられることはない。集会の講演を演壇で行う特権も女性信者には与えられない。
私が王国会館に連行されていた1990年代前半の頃には女性信者は必ずスカートを履いて王国会館に来なければならないというルールが定着していた。パンツスーツは女性信者には”ふさわしくない”と禁止されていた。
このものみの塔協会の男尊女卑思考のために、どれだけベテランの女性信者でもこの教団内では出世することはない。
宗教団体こそ平等や博愛の精神を持つべきである。しかしながら、ものみの塔協会の徹底的な男尊女卑思考は、この教団が偽善的なカルトであることの証拠。教理を作ったのが男性で古臭い男尊思考者だったということ。
ものみの塔協会の14万4000人の教義の矛盾
エホバの証人の女性信者には一切の特権が与えられないのだが、油注がれ昇天する14万4000人に選ばれることはある。ここが不思議ちゃん。
死後はキリストと共に天から地上の民を統治するのだが、存命中には会衆内で一切の特権を与えられない。ここにものみの塔協会の14万4000人の教義の矛盾がある。地上で特権を得られないような者が天で特権を得られる訳がない。
この矛盾の原因は、そもそも14万4000人の教義がものみの塔協会の頂点に君臨する統治体に対する権威付けのために創作されたことに由来する。統治体のメンバーは漏れなく油注がれたことになっている。
「俺らは昇天するんだ。世界中のお馬鹿さんの一般エホバの証人はちゃんと言うこと聞いて寄付しろよ。貧乏なエホバの証人は働いて体で払えよ!」というストーリ-のため。
油注がれた感覚というのは個人の霊的体験。そのため熱心な女性信者がこの体験をしてしまうことがある。人間は望んだことを自分で作りだすことが出来る。錯覚を自分で生み出して現実にしてしまう。深いものみの塔協会の洗脳下にあればなおさら。
このため、油注がれた人々が量産された。私の昔見た老婆もこれ。ド田舎に住んでいる老婆が、いきなり昇天して地上を統治するなんてあり得ない。そもそも冷静に考えて、死後に昇天するほどの聖人が身近にいるなんてことは無い。
“ものみの塔協会の14万4000人の嘘とエホバの証人の錯覚” への1件の返信