元エホバの証人二世信者の脱会者が書いた『解毒』
エホバの証人を退会した女性が書いた『解毒』。カルトの洗脳の解けやすい人、解けにくい人の記述が興味深い。AmazonのKindleUnlimitedに登録すれば無料で読める。(2022年2月現在)
カルトの洗脳が解けやすい人とは
この本では、カルトの洗脳が解けやすい人として『生まれつきのタイプ』があると書かれている。
世の中の人は、事の本質に『気づきやすい人』と『疑わずに信じてしまう人』の二つのタイプ
『気づきやすい人』は『要求水準』が高い人で、少数派。
『疑わずに信じてしまう人』は『要求水準』が低い人で、多数派。
『要求水準』が高い人は、自分で納得するまで調べて考える人で、作者もこちら側に属すると診断されている。
私は、洗脳が解ける前にエホバの証人を辞めた。神は存在するが、見限った。「ハルマゲドンで憤死上等、今、オレはサッカーを優先するんだ」と14歳の時に決断。両親と決別、脱会に至る。
洗脳は解けず、自分の決心と心中。ということは、私は自分の考えやものみの塔の教理を『疑わずに信じてしまう』多数派なんだろうと考えた。
一方、この本の作者は洗脳が解けるのに33年かかっている。しかも洗脳が解けるのに、親友の死という重い代償を支払っている。
作者に比べると、私は洗脳が解けるまで20数年、洗脳が解けたのはインターネットで見た「ラッセルの墓はピラミッド」という記事。私は、この信憑性の高低が定かでない記事をも『疑わずに信じてしまう』のだが、このおかげで私の洗脳は解けた。
私の洗脳の解け方なのだが、この本の作者に比べると、時間も要因も軽い。とはいえ、20数年と失った家族を返して欲しいものだが。しかし、今となってはこればかりはどうもならない。
カルトの洗脳が解けやすい者の成すべき義務
脱会当時14歳の私は、人間の生は限りあるゆえに価値があるという考え方だった。よって、永遠の命を配りまくるエホバの証人とは決別。
また、私は子どもの頃から、ものみの塔協会の推奨する生き方に疑問を感じ、教理や組織に矛盾を感じていた。
例えば、長老とか古いエホバの証人ってなんであんなにバカなんだろう?とか。輸血はともかく鯨の肉を喰っちゃダメって言うが、他の動物肉は完全に完璧に血抜き出来ているのか?大型魚の刺身とか結構血みどろの時ないか?ということは、輸血拒否もそこまで命がけでやるべきことなのか?といったこと。
元々、ものみの塔協会を疑っていたので、『ラッセルの墓はピラミッド』の記事で勘づいた。ものみの塔協会は嘘つきで、真実を隠蔽するために信者に外部の情報を制限していると。これで洗脳はパッと解けた。全てのつじつまが合った。
エホバの証人の経験が長い人ほど、愚かなのは完全に騙されているから。そして、騙し続けるために組織側はフレッシュな情報を遮断している。ものみの塔協会がペテン師なら、教義への疑念は全て解決、全てがただのでっち上げということ。
いちいち考えるだけ時間の無駄。これらが一瞬で繋がった。どうやら私も『気づきやすい』側の人間だった。それでも20数年と一家離散という代償を支払っている。この落とし前をつけるべく、私はものみの塔協会を崩壊させるための活動を行っている。
『気づきやすい人』に生まれ、生まれながらにエホバの証人として過ごしたことは、私の運命。全ては、エホバの証人をこの世から一掃し、ものみの塔協会を崩壊させるという私の宿命のため。