ものみの塔的処世術と、現実世界では何の役にも立たない特権

子供の頃からエホバの証人に洗脳されると・・・

私はほぼ生まれながらにしてエホバの証人の2世信者として育てられた。

エホバの証人とは通称JW(Jehovah’s Witnesses)。自称キリスト教系の新興宗教。日本では、ものみの塔という名前の方が知られているかも知れない。2世信者というのは、親の宗教を強制的に踏襲させられる子どものこと。

私は自分の意思でエホバの証人をやめた。14才になる前後のこと。1エホバの証人をやめるまで、生活の規範となっていたのがものみの塔の戒律。また、ものみの塔が語ることが真理であると、疑ってもいなかった。

末端のエホバの証人には、人間的に未熟で愚かな人が多かった。ネチネチとした噂話や陰口が止まらなかったり、抜群に空気が読めなかったり。

脱会前の私は、彼らは自身の愚かさゆえに、ものみの塔の発信していることを充分に受け止めきれていないのだ、と思っていた。

しかし、ものみの塔の宗教本発行に関わっている、教団内で上位に君臨する人々は紛れもなく優秀であり、それでいて裏表なく人々に接するような聖人君子であると思っていた。

実際に、現在に現れたキリストのように、会衆の長老や巡回監督といった一部の信者のことを思っていた。会衆とは成員100人程度の信者のグループ。長老はそのリーダー的存在。その上に、複数の会衆を束ねる巡回区の監督、巡回監督が存在する。

子どもの私は、彼らはとても献身的で、ものみの塔の規範や思想を完全に遵守している人々だ、と信じていた。さらに、彼らは自分が神に選ばれ優秀であることにも決して奢らない人々であるとも。

これが幼い頃から、ものみの塔のみが真理を語り、教団内で選ばれた人は、神の是認を受けていると洗脳され続けてきた結果。

実際のところはそうでもない。権力をかさにきたセクハラまがいの聴聞会があったり、邪魔者を組織から追い出していくような醜い泥沼がエホバの証人組織。

エホバの証人の長老が暴力を振るう原因3つ

ものみの塔協会の飼い犬エホバの証人と人間の尊厳を損なわせる特権

ものみの塔的立ち回り

私の父も会衆の長老を務めていて、エホバの証人の中でも模範的と言える人物の端くれなのだろうと思っていた。末端信者の考え方や能力に関しては疑念を挟まざるを得ないが、組織の上に行くにつれて、人間性や能力には疑いの余地が無い、と信じ込んでいた。

エホバ神は存在し、必ずハルマゲドンは起こる。こうも信じ切っていた。ハルマゲドンとはこの世の終わり、神エホバが下す最後の裁き。このハルマゲドンで正しいエホバの証人以外は全員死に、エホバの証人だけの地上が楽園に造り替えられるという設定。

末端の二面性のある貧乏臭い信者たちはどうだか解らないが、私の両親くらいに裏表なく誠意ある信者たちは、その最終戦争を生き残ることが出来ると、私は思っていた。

これがものみの塔による子どもの頃からの徹底的な洗脳の成果。

今となってみると考えてみると、教団の中で上位にいる信者たちの立ち居振る舞いは、エホバの証人的観点から見てよくできているだけ。

彼らはエホバの証人的処世術を極めていて、卒なく権力のある信者についていき、特権という地位を増していく。さらに、彼らは陰口を叩くベテラン女性信者を上手く手なずけ、足元を救われないように。これがものみの塔的立ち回り。

当然、自分が表立ってものみの塔の教義を破ることはないのだが、その抑圧の発散として、組織内での特権を増していくことで自己顕示欲を充足させている。

巡回監督クラスになると定職にも就いていないし、保有しているモノはエホバの証人組織内の肩書きだけ。そんなモノは世間では何の役にも立たないので、エホバの証人組織では立場が上に行くほど、人間としては最下層へ近づいていく。


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