エホバの証人(JW)2世の子供が、特権より欲しかったもの

エホバの証人の特権とは

エホバの証人用語で特権という言葉がある。特権とは、簡単に言うとエホバの証人組織内で出世するということ。

日曜日の集会で公開講演を行う、何千人も集まる巡回大会で講演する、会衆内の長老に任命された、エホバの証人的には、これら全てが特権を得るということになる。

組織内で、エホバの証人的立ち回りを上手く続けていると特権を増していくことができる。私は物心ついた頃からエホバの証人2世として育てられていた。しかし、そういう組織内で出世していくようなタイプの信者にはなれそうも無かった。

エホバの証人的立ち回りとは、上に媚び、エホバの証人基準における模範的態度を続けること。模範的とは、フルタイムの仕事を辞めたり、高校に行かずに布教活動に従事したり、生活を切り詰めて寄付金をはずんだりといった、教団のために多額の犠牲を払うこと。

組織内で特権を得ると、狂信的なエホバの証人の両親は大喜びする。私にも両親に喜んで貰いたいという気持ちは当然あったのだが、それ以上に欲しいモノややりたいことが多くあった。

エホバの証人2世の子供の悲しみ

私は幼い頃から、教団が禁じている暴力や心霊現象を扱うテレビ番組を、両親に隠れて見ていた。私の家では、こういったテレビ番組の禁止レベルが非常に厳格だった。キン肉マンとかゲゲゲの鬼太郎クラスでNG。

私は、隠れてテレビを見ていて親に見つかりそうになったり、視聴制限時間(30分までしか許されなかった!)を超えたりするのに伴い、両親に対して常習的に嘘をつくようになった。

また、テレビゲームだとかプラモデルといったモノが与えられることは無かった。エホバの証人にとってふさわしくないというのがその理由。

私は自らそういったものを手に入れるために、万引きしてみたり親の財布から金を抜いたりと、普通の子供にとっても悪と思われることをするようになっていた。

さらに私は、小学校の高学年から中学生になれば性の欲求を抑えることなどは出来ず、常習的にマスターベーションを行うようになった。これも、エホバの証人組織が禁じていること。

『解毒』~エホバの証人と性に関する問題

また女性を性の対象として見つめ、それを激しく欲するようになった。エホバの証人の教理にのっとれば性行為が可能になるのは結婚した後。婚外の性行為は姦淫、淫行であると禁じるエホバの証人の教理を、この先守り続けるのが不可能なことは明らか。守り続けたいとも思わなかった。

小学校の高学年くらいになると、私はエホバの証人と絶縁したいと思い始めていた。そんな私がエホバの証人の特権に何らかの価値を感じるはずは無かった。ただ、両親の期待に応えられないということだけが悲しかった。

エホバの証人2世の子供が一番欲しいモノとは

私は、何よりこの世の名誉や名声を手に入れたいと私は思い始めていた。それもエホバの証人にとっては禁じられている思想。莫大な富も欲していたし、手に入れられるモノは何でも手に入れたかった。

エホバの証人2世として、子供の頃から変人扱いされ親族や近所の人からは可哀想な目で見られ続けてきた。そういった他者の視線を気にするあまり、いつか全ての人を見返してやりたいと思うようになっていた。

この頃の私に思いつくその方法は、エホバの証人の言うこの世の事物の体制で価値あると考えられているモノを手に入れること。

エホバの証人の楽園に入る、会衆内での特権を手に入れる、そういったことは、エホバの証人以外の人間に認められたいと思っていた私にとって、無価値だった。

そして、本当のところ、少年の私が欲していたのは、エホバの証人でない家庭、エホバの証人でない生活だった。エホバの証人の思想を押し付けられない人生。いわば至って普通の人生。


“エホバの証人(JW)2世の子供が、特権より欲しかったもの” への5件の返信

    1. 管理者です。コメントが中途半端すぎて気づきませんでした。
      中途半端にならないように徹底的に反エホバの証人、反ものみの塔協会の活動を行っていきたいと思います。
      今後とも本サイト閲覧よろしくお願いします。

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