模範的でなければならないエホバの証人二世の子どもたち
エホバの証人2世の子供は、常に”模範的”であることを求められる。親のエホバの証人たちは、自分は神に選ばれた者であるという意識を持つ。地球上の人が皆、ハルマゲドンで滅ぼされても、選民階級であるエホバの証人は生き残るという自負。
その特権階級であるエホバの証人の子供なのだから、常に行儀よく、礼儀正しくしなければならないとされている。とくに私の家のような両親ともにエホバの証人という家庭はエホバの証人用語で神権家族と呼ばれその傾向が顕著。
ご本人たちは来たるハルマゲドンで生き残る特権階級であると思い込んでいるのだが、実情は痛い洗脳一家。父親もあえて不安定な職業を選び、両親揃って、会う人会う人に「この世の終わりが~」とか言い出すカルト野郎。最下級の底辺に位置するのがエホバの証人の神権家族。
父はエホバの証人の会衆の長老という要職につき、母は正規開拓奉仕者というフルタイムでの布教活動を行っていた。筋金入りのエホバの証人夫婦。その一人息子である私は、特別に模範的な子供でなければならないと言われた。
一般の子供たちに対してだけでなく、他の信者の子供に対しても、模範となれ。学校でも人の嫌がる掃除などを率先して行い、校則などの決まりを守ることはもちろん、先生にも常に褒められるようにしていなければならない。
成績優秀でも決して親には褒められないエホバの証人の子供
エホバの証人の子供は宗教臭のする行事には一切参加出来ないし、国歌や校歌の斉唱も禁止。ただでさえ問題児と見做されやすい。そのため、ものみの塔協会の顔に泥を塗ることのないよう、学校では特に模範的であれと言われた。
しかし、学業やスポーツに専念することはエホバの証人2世の子供には認められていない。逆に、ものみの塔協会の活動に熱心であることが強制される。私も子供の頃には学校の成績が優秀でも両親には全く褒められなかった。
ここがポイントで、勉強が出来たり運動が出来たりというのは遺伝的な要素や個々の才能、努力に依るものなので、全てのエホバの証人2世の子供が達成出来ない。ただ人格的に否定されず悪行を行わないというようなことは、エホバの証人2世の子供として出来て当然とされた。
逆に私の場合、子供の頃の成績は優秀だった。しかし、成績の優秀さでエホバの証人だった両親に褒められることは決してなかった。小中学校の成績通知表には学業以外に、道徳的な面を評価する項目あった。私はそれが良くないので両親を失望させ続けた。
親は子供の出来る面、長所を伸ばす努力をすべき。出来ない点を指摘しても仕方がない。出来ないものは出来ないのだ。それが個性。
子供は誰もが親に褒められたいと願う。その親に自分の得意なこと=好きなことを評価される。すると子供はもっと褒められたいとその分野で励み、自分の才能を活かすことができる。
私は、学校ではエホバの証人であるということを抜きにしても問題児だった。幼稚園や保育園で幼児教育を受けておらず集団活動が苦手だった。協調性の無さや自己主張の強さが目立つ。
エホバの証人の親は、小学校に入る前の子供に幼児教育は施さず、布教活動に連れまわすだけ。幼児期の私が集団行動に向いていなかったのはそのつけだと思うのだが、私は学校の成績が良くても褒められず、道徳的な項目ばかりで指摘を受けた。
エホバの証人2世ロボットの裏の顔
二面性のあるエホバの証人の大人社会を嫌というほど覗いていたために、私は裏表のある性格だった。先生や大人に対しては素直な良い顔をしているのだが、クラス内のヒエラルキーが低い生徒や下級生に対しては別の顔を持っていた。
エホバの証人2世の子供であるという弱い立場ゆえに、自分よりさらに弱い人間を探して自分の地位の確保をしようとしていた。これはいわゆる”いじめ”に発展する。いじめられる可能性や弱みのある人間がいじめを行う。
また一度も露見しないまま止めたのだが、一時は万引き癖があった。近所のスーパーやコンビニでお菓子やちょっとした玩具を盗んでくる。
親の財布から金を抜いたことも一度や二度ではなかった。こちらは、何回かは発覚し、親にこらしめという体罰をしこたま受ける。エホバの証人の子供は何も与えられないので自分で手に入れるしかない。
エホバの証人という宗教が健全な人格を持った子供を育てることはない。大人しく長い時間座っていられて、大人の顔色を伺うのが得意な2世ロボットを量産しているだけ。そのエホバの証人2世の裏の顔は歪み酷いもの。
長時間大人しく座っていられるのは、子どもの頃から体罰を受け続け、虐待されているから。正座の足を崩すと定規でピシっとやられるのだ。そりゃ長時間座っていられるようになるだろうよ。