カルトの子どもの危険な遊び、エホバの証人2世ロボット工場

エホバの証人2世の危険な遊び

私の両親が、まだエホバの証人の研究生だった頃の話。研究生とは、エホバの証人に勧誘されたばかりの新参信者。正式入信していない仮信者状態。正式信者に、聖書研究という名のマインドコントロールを繰り返し施され、カルトの奈落へいざなわれていく。

父の聖書研究をしていたエホバの証人とは、家族ぐるみの付き合いになっていた。その家は家族全員がエホバの証人という通称「神権家族」。ちょうど私と同じくらいの年齢の子どももいて、父親たちが聖書研究をしている間、私はその子どもと一緒に待っていた。

その子は宇部君という名前で、不確かな記憶ではあるが、父の聖書研究の間、私も宇部君にエホバの証人の教理を教えられていたような気がする。後に、私もその宇部君の立場になったことがある。

父親がマインドコントロールしている研究生の家の子どもに、エホバの証人の教理を教える聖書研究の真似事。子どもが子どもにカルトを仕込む、危険な遊び。

宇部君は、驚くほど穏やかで礼儀正しい子供だった。

「僕はエホバの証人2世ですから」というきれいな言葉使いは、同年代の近所の子どもからは一切聞いたことがなかった。

「一緒にこの本を読んで、お父さんたちを待っていましょうね」などと、まるで大人のような話し方をする。

小学校に入る前の、通常は泥だらけになって走り回っているような子どもがこんな感じ。おそらく2人で読んでいた本は、ものみの塔が子ども向けに発行していた黄色い本。聖書の内容を子ども向けに絵本感覚にしたモノ。

エホバの証人2世ロボット工場

「さあ、おやつを一緒に食べましょう」

宇部君の、出されたおやつを勧める話し方に、私はちょっとゾッとしたのを覚えている。子どもながらに鳥肌が立った。強烈な違和感。

「こいつはヤバイ奴だ」と、今なら分かるのだが、子どもの私にそんな判断能力はなく、宇部君を拒絶するという選択肢も無かった。

宇部君はまるでロボット。エホバの証人にプログラムされたとおり、寸分の狂いもなく動作する。

両親は、そんな宇部君に驚き、おっちょこちょいで落ち着きがなく、怪我だらけの私を宇部君のようにしたいと思った。宇部君とまではいかずとも、少しは見習って欲しい、という思いでこのカルトにのめり込んでいった。

しかし、これがエホバの証人の罠。私の両親はものみの塔の思う壺だった。

ものみの塔とエホバの証人にとって、その教えに少しだけ染まるとか、ちょっとだけ見習う、といった概念は存在しない。0か100か。

やるなら完全にマインドコントロールされ、ものみの塔の言いなりにならなければ、永遠の命を得られない。きたるハルマゲドンで滅ぼされるぞ、と脅される。

活発で傷だらけだった私が、ちょっとだけ宇部君のように落ち着いた性格になれば。そんな生やさしい願いをエホバの証人は許しはしない。

懲らしめという体罰とハルマゲドンの恐怖、天からの神エホバの視線、そういったモノで徹底的に子どもを縛り付ける。そして、画一的なエホバの証人2世ロボットを作り上げていく。

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