JW夫婦の離婚とJW解約による人間関係の消失
私はほぼ生まれながらにしてエホバの証人、通称JWという新興宗教の二世信者だった。両親が熱心なJW信者だったため、子供の私も当然のように信者として育てられた。カルト二世信者。
私は14才のときに自分の意思でエホバの証人をやめる。その後、時をずらして両親もエホバの証人をやめた。父親がエホバの証人をやめてから、母親の脱会までにはだいぶ時間があいた。
その間に両親は離婚。父親が急に家を出て行って、しばらくして離婚に至った。両親が離婚したのは、父親の浮気が原因であるというようなことを母親から聞いたのだが、事実はよく解らない。
離婚した時点で、未だ母親がものみの塔のマインドコントロール下にあったのかどうかも定かではない。この頃の私は両親に対して無関心すぎた。
ものみの塔の戒律では配偶者の不貞のみが離婚の成立事由となる。エホバの証人には、家庭内暴力や経済的事由での離婚は認められていない。この戒律を逆手にとって「相手が浮気や不倫をしたのなら即離婚せよ」という具合に信者には捉えられている。
母親がものみの塔のマインドコントロール下にあったとして、父親の浮気は絶対的に許すことの出来ない罪だったのではないかと私は考えている。
父親はエホバの証人をやめたあと喫煙を再開していた。これは母親の密告があればエホバの証人組織からの排斥事案。排斥とはものみの塔的村八分。排斥者に対して残存信者は偶然会っても挨拶すら禁止。家族であっても同じように忌避対象となる。
おそらく私の父親は、エホバの証人組織内に友人を残すことを望んではいなかったと思う。しかし、父親の意思に関わらず、排斥の戒律がある限りそれは叶わない。
仕事をやめ、出奔した父は40代の半ばにして、ほとんど全ての人間関係を失ってしまった。
エホバの証人の撒き散らす災厄
父も母と同じ様に長い時間をものみの塔協会の活動に充てていた。その結果、カルトに引き入れた人々が多くいた。ものみの塔の宗教本研究を行い、エホバの証人組織に献身させるという完全に誤った方向へ導いてしまった人々。そんな被害者を多数発生させていた。
父はその罪悪感を強く感じていた。ものみの塔のマインドコントロール下に引き込んでしまった人々自身、家族、親族に与える影響を考えるととてつもない重罪。
また、父は会衆の長老として、一般的なエホバの証人信者に対して与える影響も大きかった。
会衆とは成員100名程度のエホバの証人のグループのことで、長老はそのグループのまとめ役、リーダーのようなもの。長老の上に巡回監督、地域監督と続くのでものみの塔的中間管理職。
父は、親族や古い友人に自身の信仰を証言出来ないほどにナイーブだった。もしくは流れで長老にまでなったものの、自分の思考が完全に停止するほどの深いマインドコントロール状態にはなかったのかも知れない。
それでも父はエホバの証人の子供だった私に対して厳格にものみの塔の戒律を適用していた。その結果、私の14才までの期間は不遇だった。
エホバの証人として活動することで、家族、親族、全くの赤の他人にまで大迷惑をかける。関係する人々の人生を大きく損なわせる。これは取り返しのつかない大罪。これに気付いた父親は深く傷つき、家族をはじめ全ての知人の元を去った。
それでも、エホバの証人をやめることでようやく生き直しができる。遅すぎることなどない。全てのエホバの証人はエホバの証人をやめて、本来の自分を生きるべきだと私は思う。この傷つきは再生への一歩なのだ。
“エホバという疫病神がもたらす人生の破滅、傷つきからの再生” への1件の返信