恋人に発覚した元エホバの証人2世という過去
私は生まれながらのエホバの証人2世で、14歳のときに自分の意志でエホバの証人をやめる。そして、とっくにエホバの証人をやめていた私が20代前半だった頃の話。当時の交際相手に、私が元エホバの証人2世だと知られてしまった。
特に隠していた訳でもなく、自分からわざわざ話すことではないので黙っていただけなのだが、「秘密にしていたのでは?」と問い詰められるような状況になる。彼女の親が興信所を使って調べたのだった。
彼女は、多少エホバの証人について知っているようだった。本人いわく、子供の頃に仲の良いエホバの証人の友達がいたという。遊びに行くとか、何かするとか、そういった時々に、そのエホバの証人の友達には「集会がある」だとか「泊りがけで遊びに行くのは無理」だと断られたそう。
彼女は「エホバはやばい」と言う。そんなことは今さら言われなくても、当時の私は充分解っていたし、もう既にエホバの証人をやめていることは、その彼女には話した。
結婚相手には不適切な元エホバの証人2世
その当時の私は遊びたい盛りで、すぐに結婚するという気持ちは全く無かった。その彼女が私のエホバの証人2世という過去を理由に離れていくのなら、それはそれで構わないという思いだった。
ただ付き合うだけの相手ならば、過去にエホバの証人だったということは、そんなに問題にはならないのかも知れない。避けたいという気持ちは解らないではないが。しかし結婚相手となると大問題になる。
私とその彼女は、結果的に自然消滅的に別れる。私サイドとしては、エホバの証人のことを指摘されたのは全く理由ではなく、もっと別の異性とまだまだ遊びたいという思いの方が強かった。
ただ相手側としては、結婚を意識し始めると私の元エホバの証人という過去は大問題。家族・親族で付き合うことを考えると大きい。私の両親も元エホバの証人で離婚している。そんなカルト一家と、永続的に付き合いたいと思う人間の方が珍しい。
結婚できない元エホバの証人2世
私はこの頃、結婚など全く考えていなかったので、この一件についてさほど問題は無かった。しかし、私がエホバの証人2世だったという過去は、私にとって大きな重荷になるのは間違いないと再認識することになった。
私は、まともに結婚して家庭を築くことなどできやしないのではないかと思い始める。そして、元エホバの証人であることを恋愛相手に知られるのは、やはり屈辱的だった。自分の恥部であり、格好いいポイントではないから。
そして、エホバの証人2世だったという過去を隠し続ける限り、私には結婚など出来っこないと気付く。結婚相手に隠し通すのはまず無理。さらに、人生を揺り動かした事実を、大きな秘密にしたまま家庭が継続できる訳がない。
結局、元エホバの証人2世の人たちは、過去の傷と向き合い、抱え込めるようにならなければ、結婚や恋愛ができない。私がこれを出来るようになったのは、時の経過が傷を中和した、この10年以上後のことだった。
日常を過ごし、時が経てばエホバという傷はいずれ癒える。あとはその過ごし方。
熱心に何かに打ち込んで結果を残せば良いのだが、エホバの証人の精神状態を引きずったまま、何かをやらなければならないという強迫観念に囚われると精神衛生上よくない。
適当くらいが丁度いい。まずはエホバという傷を癒すこと。
“傷が癒えない限り、結婚できない元エホバの証人2世” への1件の返信