カルトはカルトと宗教バッシングできる国に戻れ
『みんなの宗教2世問題』5章「宗教2世はいかに描かれてきたか」。
宗教2世は、宗教が描かれる作品をどう見てきたか。まずは『イエスの方舟』。これは見たことない。
「イエスの方舟」事件は、1979年から80年にかけて、若い女性たちを中心とした信者集団が、教祖に導かれて全国を共同体ごと放浪し、マスメディアがこれをカルトとして厳しく非難したという内容だ。この事件でマスメディアが手を染めた宗教バッシングが反省された
ん?いったい何を反省してるの?
正しくないモノは正しくないとバッシングできるのが言論の自由。それに反論するのも言論の自由。若い女性が教祖に騙されて全国を放浪するのはカルトそのものなので、厳しく非難しないマスメディアのほうが機能していない。
宗教バッシングは信教の自由を侵害するものでなく正当な行為。プロ野球チームの監督がヘボだったらバッシングされるだろ。なんで宗教はバッシングされたらダメなんだよ。
マスメディアに対し監視は必要だが、不要な反省を促すことこそ不要。カルトはカルトなんだ、と言える国に戻らんことを。
あの『説得』。
続いて、『説得』。これはエホバの証人の子どもが輸血拒否で殺された事件。
原作は読了済。
テレビドラマのほうはビートたけし主演。こちらは見たような見てないような・・・記憶が定かでない。
いじめられっ子だった筆者は、この芸能人の暴力的な芸風が小さいころから苦手で、いっさい暴力シーンがない北野武監督の映画『あの夏、いちばん静かな海。』は陶酔しながら鑑賞したものの、ほかの作品は避けてきた
筆者というのは元エホバの証人2世の横道氏なのだが、同じ元エホバの証人2世とはいえ、私とは大違い。
私もいじめられっ子だったが、いじめを暴力で解消しようとし、気付かぬあいだにいじめっ子側に回ってしまっていた。エホバの証人親がこらしめという暴力でモノゴトを解決していたので、子どもの私もそれにならい、暴力を解決手法とする愚かな行いをするように。
それは関係ないだろうが、北野監督作品は結構好き。『キッズ・リターン』、『BROTHER』など。
同じ元エホバの証人2世でも、こんなに異なるのだから、宗教2世を総括するなんてことは不可能なのだろうと思う。
しかし、「説得」原作本に対する以下の評価には完全同意。
体罰を受けることで子どもたちに生まれる心の闇は扱っておらず、この教団の見えづらい凶暴な一面を見逃している
これは被体罰者や児童の精神医学に知見を持つ人でないと気づけない。また、1980年代といえども、エホバの証人のこらしめは他者の目に留まりにくいところで行われていたわけで、あんなにも凄惨なことになっているとは、教団に潜入した「説得」原作者でも知り得なかったのだろう。
『説得』原作中では、亡くなった
エホバの証人2世の少年が自分なりに信仰を抱いていたことが説明されるが、未成年の信者が、さまざまな人生経験を背景とした「信教の自由」によって、その宗教を選んだのかと問われれば、否というほかない
亡くなったエホバの証人2世の少年が、もしも盲信という信仰を抱いていたとしても、それはエホバの証人親や教団に騙されていたにすぎない。
輸血拒否が子どもの意思であろうとなかろうと、ものみの塔の罪は重い
“カルトはカルトと宗教バッシングできる国に戻れ、そして『説得』。” への1件の返信