未来は僕らの手の中
昨日紹介した『私はこれでカルトをやめました。~人生搾取されたけどまぁいっか~』というAmazonのKindle本の作者の続作。
こちらの『てい少年と悪魔サタン』の方も作中では「エホバの証人」とか「JW」などとは言及されていないが、明らかにエホバの証人2世信者の話。前作の続きではなく、前作を踏まえて、小説チックに仕立てられている。
タイトルの通り、少年期だけでスパッと終ってしまうのだが、伏線も幾つか回収されていないので次作に是非期待したい。
作中に『バックトゥザフューチャー』の話がほんの一瞬出てきて(これだけでストーリー内一番の伏線を回収できているのだか・・・)、年代的に同年代40代の作者に大きく共感する。トランプのモデルになったあの人が懐かしい。
あとがきに、面白い面白くないのどちらにしても感想を教えてくれと書いてあったので、感想。
「面白い」
『夢を叶えるゾウ』のような雰囲気があるのだが、それとエホバの証人独特のサタン思想が相まっているという初期設定の段階で秀逸。あとはこの設定に乗っかって、子供時代の辛酸が見事に吐き出されている。
我々カルト2世信者が失いがちな希望と、未来はいつも『今』の先にあり、未来はいつでも自分が握っているという永遠不滅だが忘れがちな事実が、軽いタッチで表現されている。
卑劣なものみの塔協会のやり口
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