元エホバの証人女性の書いた『解毒』
エホバの証人を脱会した女性が書いた『解毒』。著者は1977年生まれのエホバの証人2世信者で、私と同年代。境遇が似ていたので共感するところ多。同年代のエホバの証人2世や、その親世代にもおススメの一冊。
エホバの証人の子どもが下す親の評価
大人になった著者が自分の子ども時代を振り返る。そして、まだ若い両親が、もがきながら自分たちを育てていたことに気付く。
歳を重ね、知恵がついた自分の視点で親の子育てを批評するのは間違っている
著者は、自分の親は与えうる限りの愛情を注ぎ、全力で子育てをしたと評価を下す。
私の両親も若くして、私を育てた。そして、この著者同様に十分に愛情を注がれた。両親には非常に感謝している。ただ、この麗しい事実は、物事の一面に過ぎない。私の両親は、著者の母親同様にものみの塔協会に強烈にマインドコントロールされたエホバの証人だった。
親は、愛情を注げるだけ注げば何をしても良いのか?手段は選ばなくても良いのか?愛しているのなら、暴力を振るっても良いのか?答えは否。背景に愛情があったとしても、子育ての手段を間違えたのは事実。
両親が若く未熟だったから、道を踏み外してエホバの証人になってしまった。これも事実、十分に情状酌量の余地はある。しかし、子どもは、自分で何の選択もできない赤子のうちから、エホバの証人の2世信者という十字架を背負わされる。
親も大変だったのだろうが、子どもは悲惨。
エホバの証人の子育てが間違っている理由
子どもがぐれようが、引きこもりになろうが、その子育てが失敗だったかどうかは誰にも分らない。後にその子どもは成功するかも知れないし、心優しい大人に育つかも知れない。
そもそも人間にとって成功の指標が存在しない。それは人それぞれ。ゆえに、子育ての客観的・相対的評価は存在しない。他家の子どものできと比べるモノでもない。
ただ、エホバの証人の親たちは、全員が子育てに失敗している。理由は、子どもの自主性を一切尊重せず、ものみの塔の教理・教育方針を強制しているから。
子どもに自分の思いを託し過ぎる親は多い。自分の理想の姿に育って欲しいと。それは間違い。子どもには子どもの個性がある。それを尊重すべき。
エホバの証人の親はそんな身勝手な親以下。自分の考えすらなく、ものみの塔に言われるがままに、子どもにエホバの証人の教理を押し付けている。
本来の子どもの持つ性質と全く向き合わず、何も調べず、何も考えず、安易な方向に逃げて、ものみの塔の言いなりになっただけ。その安直な逃げを正しい、真理だと子どもに押し付けている。完全な子育ての失敗。
その背景に親の未熟さがあり、子どもに対して与えうる限りの愛情を与えたとしても、それでも失敗は失敗。大失敗の子育て。深く反省し、悔い改めるべき。
エホバの証人の親として子育てに失敗してしまった人はどうすれば良いのか?
人生はいつでもやり直せる。ただちにエホバの証人をやめて、子どもたちに対して謝罪の姿勢を見せるべき。あなたの与えてきた愛情が本物であったのなら、まだ、和解の道はあるのかも知れない。
あなたの愛情が偽物だったというのなら、今からホンモノの愛情を示せばいい。
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