何があっても改善するわけがないエホバの証人組織
エホバの証人問題支援弁護団の調査報告書より。最後に、「良識あるエホバの証人の信者の皆様へ」と題した、弁護団から現役信者への鬼気迫るメッセージ。
良識があったら現役エホバの証人信者をやっていないと思うんだけど、まあ人それぞれ事情はあるし、良識というのも一律ではない。
私が、弁護団からの鬼気迫るメッセージと感じたのは、私自身が脱会済の元当事者だからで、囚われの現役信者には響かないのかも知れない。
同様にエホバの証人組織が、この調査報告書のように外部から理路整然と糾弾されても改善されないのは、書いているご本人も理解されているのだろう。
社会的に通常期待されるべき自浄作用による法令遵守は期待できないと思われる
と、前章で書いている。つまりは、何らかの外圧が必要で、現状の法体制におけるその究極が宗教法人の解散ということになる。
エホバの証人組織が改善されるわけがないのだが、改善されても困る。私的にはエホバの証人組織には消えて貰いたいので、安易に改善されて「正常化しましたー」では困る。
とはいえ、そう安易に改善できないのが、カルトがカルトたる所以なのだが。
エホバの証人の内部文書「会衆へのお知らせ」、カルトに自浄作用はない
エホバの証人の内部文書「S-401」、二枚舌のままブレないエホバの証人組織
「エホバの証人やめろ」と、ハッキリ書けばいいのに・・・
ラストメッセージの中に、次の一文がある。
当弁護団は、エホバの証人組織から離れることの扇動のようなことを意図するものではありません。エホバの証人として歩むことで、心の平安が得られたり、仲間との交流に喜びを感じておられるなら、その個人の決定は尊重されるのが当然です
と書いておきながら・・・この最終メッセージの主旨も、報告書全体を通じたメッセージも、すべて徹底的な脱会推奨、覚醒を促すモノ。
この報告書を隅から隅まで読んで、それでも、エホバの証人組織マンセーってなる現役信者は、よっぽど頭がやられちゃっている。平衡感覚がそこまで狂ってなければ、正常な世界に意識だけでも戻ってくるはず。
(とはいえ、そんなに現実は甘くないのだろうけれど・・・定量的な数値をも歪ませ、自身の記憶すらねじ曲げる強固なマインドコントロール下にある現役エホバの証人がほとんどなのではないだろうか。)
ということは、やはり、この弁護団の「脱会を扇動しない」「エホバの証人としての決定が尊重される」の文章は、エホバの証人チックな二枚舌。
こういうのが嫌で、私はこの弁護団となんとなく相容れない気がするのかな?というか、世の中全体がこんな感じなのか?。本音と建前がある世界。
「ハルマゲドンでの人類皆殺しを待ち望む、エホバの証人は間違っているので消えろ」と、そこまで言わずとも、「ハルマゲドンなんてバカげた空想に浸るのは人生の無駄だ」と、腹では知っているのにハッキリ言わない。
自分がバカげたハルマゲドン空想を信じて生きるのは嫌なのに、他人や親兄弟が信じるのは個人の自由だとか、信教の自由だとか。
そういう態度が気に喰わないオレの方が、もしかするとバカ正直で頭の固いエホバの証人らしさが抜けていないのか?とも思ったりもする。
または、この辺りが法に携わる弁護団としての限界なのか?
現行法がどうなっていようと、世界の常識がどうだろうと、エホバの証人のような醜いモノを後世に残してはいけない。その醜悪さを身をもって体験し、心や身体や、周囲の大切な人たちをえぐられてきた者として、エホバの証人組織は叩き潰すべきだと、私は確信している。
そして、ひとりひとりのエホバの証人は、この冗談みたいな信仰とも呼べない空想盲信を捨てるべき。それが、騙されていない生き方。
というわけで、この報告書の内容には完全に同意できない部分もあった。
しかし、単なる集計に留まらず、一つ一つの設問に対して結論と考察を深く記載している、貴重かつ心を揺さぶられる資料だったことは間違いない。
脱会を扇動し、エホバの証人として得られる心の平安はまやかしであることを、現役信者に対して伝える際に、参照資料に使える傑作かと。
エホバの証人問題、対一般人に対する働きかけ
この報告書の内容が一般の人にどれだけ伝わるのか、そして一般の人が、囚われの現役2世児童のために、どれだけ自身の行動を変えてくれるのか?
もはや、一般人とも現役エホバの証人とも激しく乖離してしまった私には想像もつかない。
何となくだけど、一般人にはそんなに期待はかけられないんじゃないか、という気がする。
親に虐待を受けている子どもがいたとして、私は児童相談所なり警察になり通報するだろうが、それっきり。一市民としての責任を果たすだけ。
しかし、親がエホバの証人だからという理由で虐待を受けている子どもがいたら、通報して終わりではない。他にできることがないか模索し、問題を表面化させ、エホバの証人組織全体の問題へと一般化するように尽くす。
これが当事者と一般人の違いで、一般人にはそこまで期待できない気がする。
かつて、私がエホバの証人児童だった頃もそうだった。親類縁者、教職員を含め、エホバの証人問題で一般人に助けられたことなどなかった。逆に問題をややこしくされただけ。
しかし、対一般人という課題について、風穴を開けようとされていたのも、この報告書の素晴らしい点。基本的に無関心な一般人の行動を変えるのは、かなり困難な道筋ではあるけれど、働きかけなければ、何もしなければ効果はゼロのままなのだから。