元エホバの証人2世、苦しい時の神頼み
私は、物心ついた頃には既にエホバの証人（JW）2世として育てられていた。両親ともに熱心なエホバの証人だった。
エホバの証人とは、ものみの塔という名称でも知られる自称キリスト教系の新興宗教。2世とは親の宗教を強要される宗教2世被害者の子供のこと。私は、自身の経験からエホバの証人をカルト宗教だという信念を抱いている。
私の子供の頃の両親との関係は、全てものみの塔の教義を中心としたものだった。禁止事項がやたらと多く、日常生活に多大な支障をきたす。
私は、エホバの証人をやめたいと小学校高学年の頃から思い始めていた。神や教団に縛られるのは、自由気ままな性格の私にとって、我慢できなかった。「ものみの塔」に縛られる、禁止事項の多い生き方がダサくて嫌だった。
実際に脱会出来たのは中学2年生の秋。1990年代中頃のこと。
エホバの証人をやめたのは良いが、私のものみの塔による洗脳は全く解けていなかった。明日にでもハルマゲドンが勃発し、ものみの塔の教義から逸脱している自分は滅ぼされるのだと、覚悟していた。
私は、幼い頃から叩きこまれたエホバの証人の教理に対し矛盾も感じていた。しかし、ハルマゲドンは近いうちに起こるし、天に神エホバもキリストもいるのだという、基本的な部分は揺るがなかった。
交通事故や地震など、危険な目に遭うと、うっかり心中でエホバに祈ってしまう。救いを求めてしまうことがあった。まさに苦しい時の神頼み。
私は来たるハルマゲドンに怯えながら日常を過ごし、20才になり実家を出て一人暮らしを始めた。世界はいまだ終末が来ぬまま、21世紀に突入。
真理を語るインターネット背教者
こうした時期に、私はインターネットで初めてエホバの証人について調べることになった。ハルマゲドンがなかなか起こらないので、「油注がれた残りの者」の人数を調べようと思ったのだった。
「油注がれた者」とは、エホバの証人の特殊な教義。14万4000人の神により選ばれた人々が、死後昇天しキリストと共に地上を統治するというもの。昇天前の現世で生きている人々が「残りの者」と呼ばれている。
残りの者全員が死に絶えたとき、この世の終末ハルマゲドンが起こると、ものみの塔は予言していた。
この残りの者の人数は、ものみの塔によって公表されている。これをインターネットで調べようと、私は思い立った。ただ、この時にネット上でまず私の目に留まったのは、反ものみの塔の立場を取るホームページだった。
いわゆる背教者のブログ。教団内では背教者との接触は厳禁とされている。サタンの手先の超危険人物だから。背教者に近づくと騙され、取って喰われるとエホバの証人たちは思い込んでいる。
どうせ私はハルマゲドンで滅ぼされる存在なので、背教者との接触に何ら問題はない。そもそも、私自身が背教者的なポジションだった。神がもたらす永遠より、刹那の人生に価値があると思っていた。今でもこの考えは変わらない。
「脱会後に、エホバの証人のことを熱心に批判するなんてご苦労なことだ」と、このとき私は感じた。排斥処分という、破門になった人の逆恨みのようなものかと思った。
そう思いながらも、似た境遇の人を応援する気持ち、共通の敵「ものみの塔」を攻撃する気持ちで、気軽にポチっと背教者ブログへ。
すると、そこには衝撃的な情報が乗っていた。ものみの塔が信者や外部に隠蔽している驚きの事実が暴露されていた。背教者の語る真理。
続きは次回
（※2022/3/19追記。遅れること20年、私も背教者ブログを書く側に回った。背教者と言われる筋合いはないのだが・・・。背くもなにも、元々エホバの証人の教えに従ったつもりはない。押しつけられただけ。）
エホバ死ね