特殊なものみの塔協会の教理
私は、ほぼ生まれながらにしてエホバの証人の2世信者だった。エホバの証人というのは、自称キリスト教系の新興宗教。日本ではものみの塔という名称でも知られている。2世信者というのは、親の信仰を強制される子供のこと。
私は14才のときにエホバの証人をやめると決断。狂信的なエホバの証人信者だった両親と決別し、現在に至る。
両親も私に続いてエホバの証人をやめた。しかし、脱会の時期が前後したため、両親は信条の相違などを理由に離婚。ものみの塔に関わったために、私の家族は崩壊した。
そして、私がエホバの証人をやめてから20年が経過し現在に至る。こうして、図らずもエホバの証人の2世信者だったことについて考え、自分の意見を発信することになった。
私は、現役の2世信者だった頃に、真面目にものみの塔の宗教本の勉強に取り組んでいなかった。エホバの証人に関する情報をいざ発信する立場になると、ものみの塔の特殊な教理に関する知識不足は否めない。
よく分からん予言とかがたくさんあって、「マゴクのゴク」とか言われてもさっぱり。
エホバという傷を癒すためにできること
しかし、自分の知識不足を補うために、今さらものみの塔の教理を勉強するなんてのは本末転倒。吐き気がする。時間の無駄だし、再び悪影響を受けそうな気がする。ものみの塔の宗教本にこそ、悪い霊が憑いている気がするくらい。
ものみの塔の機関誌「ものみの塔」の表紙を想像するだけで、寒気がする。あのジグザグ屋根の物見塔のシンボルが描かれている薄い雑誌は、悪魔からの手紙。家族を崩壊させ、人々の精神を汚染する。
エホバの証人をやめて20年以上経っても私の傷は癒えていない。もはや死ぬまでその傷が完全に癒えることは無いだろう。例えその傷が癒えたとしても、かつてエホバの証人2世だったことを忘れ去るのは不可能。
”エホバ”という忌むべき言葉が、深層心理に刻み込まれてしまっている。冗談のような話だが、ドラッグストアなどで”ホホバオイル”という商品を見てもゾッとしてしまう。
車で走っていて、エホバの証人の王国会館の前を偶然通り過ぎることがある。あのパステルカラーの建物を見ると、いたたまれない気持ちになる。目をそらさずにはいられない。しかし、
今まさにこの王国会館に通い続けている被害者が多く存在する。日曜日に王国会館の前を走りすぎると、駐車場いっぱいに車が停まっている。いまだにこの危険なカルトに、人生を大きく損なわされている人々が存在する。
これら被害者のために、私は自分の経験を書き綴っている。現役信者のマインドコントロールからの解放、元2世信者にとって、エホバからの真の解放のために、私は過去の忌々しい記憶に向き合わなければならないと考えている。
