元エホバの証人2世の高校デビューと過去をリークされる恐怖

元エホバの証人二世の高校デビュー

私はほぼ生まれながらにしてエホバの証人の二世信者として育てられた。十四才になる年に自分の意志でエホバの証人をやめた。

私がエホバの証人をやめる中学生までの友達・知人というのは、現在の私には一切存在しない。エホバの証人の二世信者だった暗く辛い過去を思い出すので、当時のクラスメイトの顔など今でも見たくない。

中学生までの知り合いには、私が変わり者のエホバの証人信者だったことが十二分に知れ渡っている。学校の給食のときには合掌しないし、クリスマス会にも参加しない。

週末になると妙にかしこまった格好をしてボランティア活動と称して家にやって来る。ものみの塔協会の布教勧誘活動のため。随分と危険な奴だと認識されていたはず。自ずと中学校以前の同級生との交流は廃れていった。

私にとって幸運だったのは、エホバの証人をやめた後、家からだいぶ離れた高校へと進学したこと。いわゆる高校デビュー。これはいろいろ理由をつけて遠方の高校を選んだのだが、心の片隅には、過去の自分を誰も知らない環境に身を置きたいという思いがあった。

そして、さらなる幸運なことはこの高校時代に30歳を超えた今でも交流がある友人と出会えたこと。

元エホバの証人二世にやっとできた友人

エホバの証人の子供は不規則な友達のつくり方しかできない。エホバの証人の親からは、エホバの証人組織内だけに友達を作るように強制される。趣味も性格も合わないのに、エホバの証人2世である不運という共通項だけで友達をあてがわれる。

こんなエホバの証人の子供は友達を作りにくい。学校の友達には変な奴だという目で見られ、本音でぶつかりあうことが出来ない。そもそもエホバの証人の集会や布教活動のために存分に遊ぶことが難しい。禁止事項の多いものみの塔協会の戒律で縛られるため、出来る遊びも大幅に制限される。

お互いにエホバの証人をやめた後で父親から言われたことがある。

「お前を友達の出来にくい育て方をしてしまった」ことを後悔していると。はっきり言えば”エホバの証人2世として育ててしまったことを後悔している”ということ。エホバの証人をやめた人間にとって、エホバのエすら聞きたくない発したくない言葉なのでこんな言い方になる。

その私にとって、ようやくの普通の高校生活で出会えた友人との関係は非常に価値のあるものだった。多感な高校時代をエホバの証人であるというレッテルを貼られてただ一人過ごしていたとすると、今の私はこの世に存在しない。その辛さに絶望して私は自ら命を絶っていただろう。

全ての友人を失うことになるエホバの証人

高校デビューで怖いのは過去を晒されること

エホバの証人をやめた後で、気力・体力に余力が残っている人は、何もかも環境を変えるのが良い。エホバの証人をやめるということは、生まれ変わることだと思って、新たな環境で心機一転。

そういう意味では、進学・就職のタイミングこそ脱塔のチャンス。でなければ、生きていてもエホバの証人を続ける限り、その人生は無意味だし、私のように生存を辛いと感じてしまう。そうなると唯一の命を落としかねない。

高校デビューで心機一転したものの、怖いのは過去のリーク。過去の自分を現在の環境でバラされてしまうこと。私にもその危険はあったのだが、友人といい関係が出来ていれば、その友人は過去のことなど気にしない。

私も「今の自分はこんなにもエホバの証人らしくないのだから」という自信に満ちていた。これはこれで間違っていて非ものみの塔だけで一生を生きてはいけない。とはいえ、若い高校生の自信の根拠としては反エホバだけで十分だった。

過去のリークで去る友人など不要。その程度の関係だったと放っておけばいい。今の自分と未来の自分を認めてくれる友人関係を徐々に作ればいい。

私も過去のことをバラされたこともあったが黙殺。こんなにも暴走して生きているオレに対して、そんな昔の細かいことを持ちだして、小さい下らん奴だと。

「今」を楽しく盛大に生きることで「過去」を封じることができる。

元エホバの証人二世の陥る非エホバ願望・反ものみの塔思考という罠


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