エホバの証人の参考文献から
エホバの証人の初学者用教材『いつまでも幸せに暮らせます』のレッスン06『生命はどのようにして始まった?』の参考教材『生命の起源 ― 5つの大切な質問』。
この参考文献としてエホバの証人が掲載している、NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 2004年 11月号から。
進化論の形態学的な証拠としては、もう一つ、退化が挙げられる。生物の世界を見渡すと、生存に支障はないが、あっても意味がないような特徴がたくさんある
- 哺乳類のオスの乳首
- 一部のヘビの骨盤と小さな脚のなごり
- 飛べない甲虫の開かない羽
創造主の存在を否定する退化の証拠。「創造主が設計図を使い回した」とか「設計ミス」をしたという言いわけは苦しすぎる。普通に進化の過程で不要になった器官があっただけ。そう考える方が理にかなっている。
病原性微生物の耐性進化の変異プロセスほど、ダーウィンの理論を見事に、かつ直接的に裏付ける証拠はほかにない
コロナウイルスの変異株がまさにこれ。われわれは進化の証拠を自分の目で見て、身をもって体験している。
エホバの証人が認めない「大進化」の目に見える証拠
「ガラパゴス・フィンチ」という鳥や、カメなどには、離れた島ごとに独自のバリエーションがある。
外界からの孤立、時の流れ、その土地の生息環境への適応という条件が揃って種分化が起きたと、ダーウィンは推測した。そう考えるほうが、似通った複数の種が最初から今のような形で創造され、ガラパゴスの島々に放されたと考えるより、理にかなっている
この整然とした論理に対し、エホバの証人は『生命 ― どこから?』の「進化 ― 通説と事実」では、以下のように反論している。
実際,ダーウィンフィンチは“新しいもの”になっているわけではありません。フィンチのままです。そして,“種”の違うフィンチが交配しているという事実からすると,一部の進化論者による種の定義方法について疑問が生じます
そうした交配が続くなら二つの“種”が一つに融合するかもしれない
ダーウィンフィンチから分かるのは,気象の変化に適応できる種があるという程度のことにすぎない
エホバの証人は種を飛び超えない「小進化」は認めているが、「種」を超える「大進化」を認めていない。「小」はあるけど、「大」はないという勝手な主張。
二つの種が一つに融合するかも知れないことが、種が分かれないことの根拠にはならないのだが、エホバの証人の記事は話をはぐらかして自説を通そうとする。
エホバの証人的には、「小進化」は、目に見えて顕在化してしまっているから認めざるを得ない。しかし、「大進化」は証拠がないから認めないと言うことなのかも知れないが、「大進化」の証拠も存在する。
再びナショナルジオグラフィック誌2004年11月号から。
種分化はまれにした起きない現象で、単一系統内の進化以上に、観察するのは難しい
種分化は多くの場合、次のようにして起きる。元は同じ種に属していた二つの集団内で小さな変異が蓄積され、ついには別々の種になる。変異が積み重なるには何千世代もかかるが、最後の決定的な変異が起きると、ドアがぴしゃりと閉まるように種が分かれる
長期にわたるショウジョウバエの実験により、困難と思われていた種分化、もしくはそれに非常に近い現象を記録した。交尾を終えた少数の雌から始めて、世代を重ね、異なる生息条件に適応した二つのはっきりと異なる集団を生み出すことに成功した
エホバの証人が参考資料として挙げているナショナルジオグラフィック誌によると、はっきりと「大進化」が観察されていることが分かる。
種を飛び越える「大進化」の証拠が目に見える形で存在すると、エホバの証人が参考にする文献がハッキリ述べている。
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