エホバの証人の同級生、エホバという猛毒を媒介させる子供

辛く悲しいエホバの証人の神権家族

私は生まれながらにエホバの証人2世として育てられた。エホバの証人というのは、米国生まれの自称キリスト教系の新興宗教。2世というのは、宗教2世信者。親の宗教を押し付けられた子どものこと。

私の家庭は、エホバの証人用語でいうところの神権家族だった。両親ともにバプテスマという儀式を受けた正式なエホバの証人。その子どもたちは、信教の自由を保障されることなく、当然のようにエホバの証人2世として育てられる。

片親と子どもだけがバプテスマを受けていても、もう片方の親が信者でない場合は神権家族には該当しない。神権家族で父が長老だったので、私の会衆内での立場は、子どもながらに優遇され一目置かれていた。

中学生のとき、同級生のエホバの証人2世が私より先にバプテスマを受けた。両親は口には出さなかったものの、私にも早くバプテスマを受けて欲しいという望みがあった。両親は、その同級生の親のことを羨んでいた。

しかし中学生の私は、いかにして早くエホバの証人をやめるかということを考えていた。そのため、両親からのバプテスマ希望をプレッシャーとしては感じていなかった。しかし、

親の期待や希望に沿えないということは、10代の私にとって辛く悲しいことだった。

エホバの証人をやめて全ての人間関係をリセットする

エホバの証人の子ども、エホバという猛毒の媒介役

私がエホバの証人をやめたのは中学2年生のとき。当時、同じ中学校の同学年には、エホバの証人2世の子供が私以外に2人いた。

1人目は父親がいない母親だけの片親家庭、その母親はバプテスマを受けたエホバの証人。その同級生が、前述のバプテスマを受けてしまった彼。

現在では、シングルマザーというのは珍しくないのかも知れない。しかし、20年ほど前の田舎だと、1学年に1人いるかいないかという不遇さの象徴だった。こういった、自分は不幸だと思い込んでいる人間がカルトの罠に陥りやすい。

もう1人の同級生は、母親だけがバプテスマを受けていて、父親はエホバの証人に対して多少理解があるという家庭。父親にしてみれば、

妻が新興宗教に狂っているのは面白くないのだが、子どもたちが人質にとられてしまっているので、仕方なく理解があるふりをしていた。

こう考えてみると、

我が家でもそうだったのだが、まず母親がエホバの証人の毒牙にかかる。その後、子どもを媒介としてエホバの証人という猛毒が家族中を循環、家庭を破壊する。

子どもにしてみれば、エホバの証人をやるのは面白くない一面がある。とはいえ母親が熱心にやり始めると同調せざるを得ない。母親は飯を食わせてくれるという生命維持機能そもものだから。何より、子どもは母親の愛情・承認を得たい。

そうしているうちに、子どもたちは立派な製本のエホバの証人の宗教本にやられてしまう。まさかこの世界に、人を騙すためだけに本を大量に出版している組織があるとは、子どもは思いもしない。

エホバの証人の宗教本にかかれている終末、ハルマゲドンだとか神の存在だとか、すべてを真実だと信じてしまう。そして、家族全体にエホバという猛毒を伝染させることになる。


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