『NHKスペシャル　シリーズ”宗教2世”』：無防備、無神経に現役信者の声を垂れ流すな

せっかく現役信者を引っ張り出したのだから

2023/10/29放送『NHKスペシャル　シリーズ”宗教2世” ドキュメント”宗教2世”を生きる』。昨日の記事の続き。

この番組では、せっかく現役信者を引っ張り出したのだから、「あなたの考え方や信仰、宗教は間違ってますよ」と、言ってやれば良かった。そうやって現役信者を減らし、問題を起こす教団の勢力を削ぐことが、宗教2世問題の解決になる。

逆に、現役信者に一丁前に意見を述べさせちゃダメ。無知な世間が、現役信者の間違った意見に引っ張られかねない。現役信者本人も意見を聴かれて、自分は間違っていないという認識を固めていってしまう。

この番組が、宗教2世問題を解決したいという趣旨の元、製作されているとするならそうなる。NHKなのだから、当然公益性のある番組を製作すべきで、現状を無防備に無神経に伝えるだけではいけない。問題解決の道を示したり、模索すべき。

それならば、禍根の元凶とも言える現役信者の生の声を、軽々に全国に流すべきではなかった。

この番組に足りなかったのは、神の視線というか、一般人の視線（宗教問題なのに神の視線はややこしくなるな・・・）。「地獄に落ちる」とか言っている人がいたら、テロップで「※落ちません」とか入れれば良い。

エホバの証人に関しては、テロップで「※エホバの証人の聖書解釈です」みたいなのが入っていて、これはこれで良かった。

病巣の現役信者が出てきているんだから、こういった宗教がどれだけ間違っていて、2世被害者を生んできたのか、現役信者を通して徹底的に世間に知らしめるべきだった。

宗教2世の悲劇

番組の半分は旧統一教会について。旧統一教会には養子縁組の教理がある。信者の他の家庭に養子に出すために、子どもをつくるように指示する教理もある様子。

新興宗教ごときに、そこまで家庭の事情に容喙させるべきなのか？あり得ない。

しかも、韓国発祥の宗教、日本人にとって自国の宗教ですらない。ますますあり得ない。

信仰を捨てたために

「自分が失敗作というか自分を消してしまいたい」

と思う宗教2世。

「そんなことないですよ！」と、声を大にして言いたい。やはり、この番組には天の声が欲しい。

親の信仰を押し付けられた宗教2世の子どもは、その信仰を捨てるとき、似たような気持ちになる。私にも覚えがある。親を傷つける自分が間違っていると考えてしまう。

これは違う。失敗しているのは親だから。子育てにも、自分の人生にも。

母親の宗教道楽に付き合わされ、金をむしられる旧統一教会元2世信者の女性が出演。

「この状況で結婚してくれる人なんて見つかりっこない」

毒親は捨てるしかない。

『みんなの宗教2世問題』宗教2世の癒しと回復、元より強く美しくなれる