デタラメな世界に住んでいるエホバの証人2世
『宗教2世』、Session3-3『2世たちの、その後』より。
脱会後の当事者の声で
それまで自分のなかにあった価値観、固定観念がすべて崩れてしまい、赤ん坊のような状態になったので、立て直すのにかなり時間がかかった
ハルマゲドンがくると地球の現体制が滅ぼされる。天には神エホバとキリストがいる。地球には、悪魔サタン一派が闊歩している。輸血や中絶、選挙、応援、格闘行為、異教由来の行事はダメ絶対。
物心ついたときから、エホバの証人2世だった私は、こういったエホバの証人の教理が価値観、固定観念となっていた。
今となってみると、全部嘘八百のデタラメで、こんなことを本気で信じている人間が、21世紀のこの日本にいるのだろうかと驚愕する。しかし、
子どもの頃から世界はそんなデタラメだと教えられ、周りの大人は本気でデタラメを信じている。すると、子どもは世界はそんなモノなのだと信じざるを得ない。
地球が平らだと信じ切っている大人に教えられれば、子どもは地球は平らなのだと信じる。それと同じ。
とりあえず、エホバの証人は全否定
ところが、エホバの証人の教理がデタラメだと気付くときがくる。現地球の体制が、ハルマゲドンまでの限定的なモノだと信じていた土台が一気に崩れる。自分は寿命まで生きられる。天に神なんかいないんだと、気付く。
固定観念はすべて崩れ去り、価値観も多いに揺らぐ。
生まれたての赤ちゃんの状態。エホバの証人から受けた教育や情報は、全部役に立たないのだから仕方がない。役に立たないどころか有害な価値観すらある。取捨選択できればいいのだが、取捨選択するための価値観はグラグラと揺らいでいる。
とりあえず、私はエホバの証人を全否定するしかなかった。ここまでは正解。
エホバの証人は全否定しておけば間違いない。エホバの証人の中にも一部美徳があるという意見もあるが、それは間違い。
エホバの証人の美徳、兄弟愛とか正直とか勤勉とか。それは世間では常識だし、エホバの証人の場合は、そういった美点に条件がつく。
兄弟愛は信者に限定されるし、正直も教団の立場を守るためなら虚偽も辞さない。勤勉なのは宗教活動に対してだけ。世俗の仕事で勤勉に働くのは当たりまえ。
宗教2世の遠回り人生
エホバの証人は全否定で良いのだが、生まれたての赤ちゃんに戻った私はエホバの証人を全否定しつつ、エホバの証人の真逆に行こうとした。兄弟愛、正直、勤勉の逆を目指した。
赤ちゃんでありつつも、見た目は大人。しかも、私の場合は性欲や自己顕示欲だけは立派に育っていた。その状態でエホバの証人の逆を目指した。そのため、暴力、独善、堕落のダークサイド一直線。
これは大失敗。ここから立て直すのに本当に時間がかかった。
単なる赤ちゃんになって、きちんと保護してくれる人がいればいいのだが、親は宗教親だし、教えたり、守ったりしてくれる人がいないのが宗教2世。簡単に道を踏みはずすし、いともたやすく騙される。脱会後も、人生はまた遠回り。
“『宗教2世』のデタラメな世界からの再出発、そして遠回り” への2件の返信