マインドコントロールのための、エホバの証人の家庭聖書研究

エホバの証人の布教テクニック

『近現代日本とエホバの証人』の第四章「従順の時代」。1970年代半ばから1990年代半ばまでの日本のエホバの証人を考察。この時代に私は生まれ、自身の幼少期と家族とをエホバの証人というカルトに奪われた。

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この当時の、そして今でも変わっていないのだろうがエホバの証人の布教テクニック。

「家族生活や子育てに聖書の助言が役に立つ」といったアプローチ方法が提言されている

今になってエホバの証人がこんなことを言おうものなら、寒風ふきすさむ悪い冗談でしかない。

エホバの証人の数多の家族は崩壊し、子供の二世信者は懲らしめという虐待を受けた。輸血拒否で死んだ子供もいる。「家族生活や子育てに聖書の教えを・・・」と言っているエホバの証人がいれば、「ではお宅の家族は?」と聞いてみればいい。

道を違えた家族がいるのなら、初めからエホバの証人になんてならない方がいい。永遠に生きたり、神の宇宙主権とか証明しなくても良いから、いま目の前にいる家族と添い遂げたい。

しかし、当時、私の母親がエホバの証人の毒牙にかかったのは、まさにこれ。

やんちゃ坊主の片りんを見せていた1才にも満たない私に戸惑っているところに、エホバの証人の訪問を受けた。そして、騙され、エホバの証人の家庭聖書研究が始まる。

カルト宗教の本質、カルト3原則その3「マインドコントロール」

エホバの証人の家庭聖書研究とは?

この家庭聖書研究について、本章脚注部分より。エホバの証人の家庭聖書研究とは

あらかじめテキストに印刷された各節の設問に対し、文中から該当箇所を探し回答する、という定型的なやりとりが繰り返される。

この繰り返しがマインドコントロールのテクニック。自分の考えや言葉ではなく、ものみの塔の宗教本から答えを探す。自ら探し出した答えを発声して回答すると、さも自分の考えであるかのように感じられる。しかも、直前に同一範囲を声を出して朗読しているので、効果は増す。

これを繰り返して、「研究生」は、ものみの塔のマインドコントロールに陥る。この研究体験について経験者は

最初はさまざまな質問を「司会者」に投げかけたが、「研究」をスムーズに進めるためには質問などしないほうがいいのだと気づき、やがて相手(司会者)が喜びそうな回答しかしなくなったという。司会者に対し好意的な感情を抱いていれば、この傾向はさらにつよくなる

空気を読まない回答や質問をすれば、「司会者」が困るし、良い顔をしない。やんわりとしかし念入りに否定され、宗教本の文中から定型の回答するよう誘導される。

家庭聖書研究を始めるにあたって、「研究生」の動機は家庭の幸福であるとか、子供の教育である以前に、「司会者」の人間性に惹かれているケースが多い。

我が家もこれで、上品な人生の先輩という少し年上の「司会者」が私の母親を担当していた。そして、その「司会者」の子供たちも表面的には上品で賢く大人びている。その子供たちを見て「エホバの証人はなんて素晴らしい子供の教育をしているんでしょう」となるのがエホバの証人の王道。

「研究生」は研究を始めている段階で、当然「司会者」に好意的感情を抱く。そうして、「司会者」の求める回答、つまりはものみの塔の求める回答を探すようになる。それがものみの塔の思う壺で、マインドコントロールまっしぐら。


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