14才、エホバからの解放
私はほぼ生まれながらにしてエホバの証人(JW)というカルト宗教の信者だった。両親が熱心な信者だったため、子供の私も当然のようにエホバの証人というカルトを強制された。いわゆる2世信者。
エホバの証人2世の日常生活は、大きく自由を制限される。
七夕やクリスマスといった宗教臭のする行事はすべて禁止。毎日の給食の「いただきます」「ごちそうさま」の合掌は出来ない。代わりにキリスト教ポーズで祈りを捧げないといけない。完全な変態。
エホバの証人の集会が平日の夜に2回、土日にもエホバの証人の集会と布教活動があり、学校のクラブ活動にはほとんど参加出来ない。
※2022年追記最近では、平日の夜の集会は週1回に減少した様子。
エホバの証人の子供は、学校の先生にこういった込み入った事情を自ら告げなければならない。信仰の証言と言われ、私にとってこれは大きなストレスだった。
私は小学校1年生以降、進級の都度、担任が変わった。4月になると、エホバの証人の信仰の証言を毎回しなければならなかった。
中学2年生から3年生に進級する時にだけ、担任の先生が変わらなかった。しかし、私は中学2年生の秋頃に、エホバの証人の信仰を捨てていたので、これは逆にやりにくかった。
「今年から何でもやります」という訳にもいかない。急にクラブ活動に真面目に参加しだすというのも今さらという感じ。仕方が無いので、都合の良いところだけ未だにエホバの証人であるような顔をしていた。
14才、中学3年生の給食の時に、私が合掌していたかどうかはもう覚えていない。ただ、
毎度の給食の前に、両手の両指を組み合わせたキリスト教的祈りのポーズをとるという、馬鹿馬鹿しい行いからはようやく解放されていた。
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子供の心の底にまで染み付くエホバの証人の教義
中学3年生の修学旅行で、寺で座禅を組むという企画があった。エホバの証人にとって、もろにアウト。別の宗教活動だから。
この頃の私は、既にエホバへの信仰を捨てていたので、事前に担任の先生に「座禅は組めない」などと証言はしていなかった。しかし、別のクラスにいたエホバの証人の2世信者たちが、「我々は座禅が出来ない」と私のことを含めて証言していた。
座禅の時間が来ると、担任の先生がわざわざ私に別の部屋で待っているようにと指示をしてきた。
他のクラスのエホバの証人たちに、大きなお世話だと思いつつも、その頃の私は何となく座禅だとか寺社仏閣というものに違和感というか、居心地の悪さがあったので、これは退避することに。
私は、物心ついたときから、神社や寺は異教の宗教施設で忌避すべきものだと教え込まれた。神社や寺に違和感なく普通に参拝出来るようになったのは、つい最近のこと。
また、最近まで私は全ての神々を否定する無神論者で通していた。付き合っている彼女と初詣に行ったりしても、手を合わせず怪訝な顔をされることもあった。
エホバの証人の元2世信者が一般社会に馴染むにはとても時間がかかる。子供の頃からエホバの証人の教理を叩き込まれた元2世信者の洗脳は深い。何に対しても、やっていいこと、いけないことのフラグが瞬時に立つ。
いけないことだが、エホバが嫌いなのでやる。エホバの証人が嫌いだから、彼らと違う自分になるためにやる。私は棄教した後でも、エホバという偽神の存在を信じていた。それがほぼ生まれながらの洗脳効果。
この段階では、エホバの証人というカルト宗教による精神的制御から抜けるのは至難の業だった。
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