不都合の多いエホバの証人2世の恋愛
私が小学校6年生のときの初恋の話である。私はその初恋の相手に対して強烈な執着心と独占欲を持つようになっていた。これは幼い頃からのものみの塔協会による洗脳の影響である。
引き下がれなくなった私は意を決めて告白に至る。周囲の女の子に根回しをしてラブレターを書いたのである。親に見つかればとんでもないこらしめが待っているだろうし、実際に交際するとしてもどうするかというビジョンも全く無かった。とりあえず前へ進むことしか出来ない状態になっていたのである。待望のラブレターの解答はOK、私も好きだというようなものだった。
一旦は上手くいったものの、小学生の私にはその後の子供ながらの交際というものが上手く出来なかった。その子から誕生日会やクリスマス会に呼ばれても堂々と行くことは出来ない。そういったイベントはものみの塔協会の戒律で禁止されているからである。
せめて出来てプレゼントの交換くらいである。本当はバレンタインのお返しなども(もちろん貰って喜ぶことも)エホバの証人には禁じられている。親に隠れて、クリスマスや誕生日、ホワイトデーといった行事ごとに隣町まで出かけてプレゼントを買いに行っていたのだった。
息子の恋愛さえもエホバの証人にとっては効果的な伝道の道具
そうしている内に都合の悪いことが起こり始めた。その女の子の母親に対して、私の母親がエホバの証人の伝道をし始めたのである。勝手に伝道に行って断られて帰って来てくれたら良かったものの、先方の母親が多少なりとも食いついてしまったようだった。そのため私の母親が足繁く通い、聖書研究が行われているということである。先方にしてみれば娘が好きな男の子との母親間の付き合いという側面もあったのだろう。
この頃の私はエホバの証人が家族や人格を崩壊させるほどの悪教であるとは気付いておらず、真理である、真実であると思い込んでいた節がある。幼い頃からの洗脳とは恐ろしいものである。ちょっとした客観的視線を挟むことすら出来ないのだ。
しかし、今となって考えてみるとこれは修羅場とも言える絶望的な状態である。自分の母親が、好きな女の子の家庭を新興宗教に引きずり込もうとしているのだ。強烈な罪深さと最悪な状況である。深い洗脳状態にあった私の母親は、子供が同級生という効果的な要因を利用して相手の家族をエホバの証人の世界に引き入れようとしているのである。
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