カルトの究極の目的とは・・・
『みんなの宗教2世問題』1章『当事者たちのさまざまな声』。マイナー新宗教2世の話。昨日の記事の続き。
この本の1章には、10人もの「カルト被害者」が登場した。本のタイトルどおりの宗教2世でなくカルト被害者が登場と書いたのは、体験者の属性がさまざまだったから。
エホバの証人や統一教会、創価学会の宗教2世から、オウム真理教の1世信者まで、マイナーな新宗教の2世に正統派プロテスタントの2世、親がマルチ商法にハマった人まで。
この本の中で、カルト化した親やカルト宗教の被害者を、私自身の元エホバの証人2世という視点で見てきた。
そこにあったのは、多くの共通点。
結局、宗教の教理なんてのは後付けで都合よく作られたモノ。カルトだと特にそう。本来の目的は、信者を支配し収奪すること。搾取のために、教理や組織の決まりが作られる。
そこに表れる信者の考え方や行動、周囲の人々や子どもが受ける被害、こういったモノには同類項が多い。最終目的が、信者の思考と行動をコントロールし、人生そのものを搾取することにあるのだから。
カルトの共通項
カルトが全部似ているとなると、カルト全般に共通な対策を打てる可能性がある。
しかし、この国では、カルト宗教がカルトと認識されていない場合もある。正々堂々と市民権を得てしまっているカルト宗教まで。
カルトの共通項を通じて、カルト被害者を個別に救い上げる方法はあるのかも知れない。しかし、組織としてのカルトに制限をかけるのは難しい。その組織がカルトかカルトでないかの論争を、乗り越えなければならないので。
そもそも、カルトにまで信教の自由という、錦の御旗を掲げさせてしまっている、この国の現状に問題がある。
私の当面の守備範囲はエホバの証人であり、エホバの証人組織の存続ですら、指をくわえて許すしかない状況。他カルトの撲滅なんてのは程遠い。
そのため、本記事では、今回登場した超マイナー新宗教と、ど真ん中カルトのエホバの証人の共通点を上げるにとどめておく。
宗教2世問題の共通項
このマイナー新宗教はイタコ婆が教祖になって金を集めている。イタコ婆の家で宗教儀式や口寄せを行うのだが、その際にこの体験者は
イタコ婆さんが飼っている大きなシェパードと遊びたい。というか、そもそもこんなところに来ず、家で本を読んでいたい。
だが素直に同伴し、隣に座って経を読むほうが、母の機嫌が明らかにいい。わたしは、母の機嫌のためだけに、「新宗教」に従うふりをし続けた。
元エホバの証人2世の私が、子どもの頃に感じていたことと全く同じ。エホバの証人の集会や大会などに行かず、家でテレビを見ていられたら、どれだけ良かったか?布教活動に連れ回されず、友だちと遊びに出かけられたら?
そんな願いを押し殺していたのは、両親のため。また、両親に従わないと体罰を受けるから。
子どもが、親のためにやりたくもない宗教活動をやらされるという共通点。これはエホバの証人とこのイタコ婆教団だけでなく、すべての宗教2世問題を抱える宗教に共通だろう。
親が、子どもを保護する条件として、子どもに愛情を示すための条件として、子どもに信仰を強要する。宗教2世問題の共通項。
次回に続きます。
“『みんなの宗教2世問題』:カルトに共通する究極の目的と被害者の共通項” への1件の返信