慣れ親しんだホームを破壊する
AmazonのKindle Unlimitedなら無料で読める(2024/1現在)『元宗教二世たち山上容疑者を語る: ありそうでなかった!多宗教二世たちの対談』
悲しい事に、子供にとっては教団が、慣れ親しんだホーム
という発言が出てくる。これは私にとってもその通り。私は物心ついたときから14才までをエホバの証人というカルトの中で過ごした。幼馴染はエホバの証人2世しかいない。
両親も含めてこのホームを、きれいさっぱり捨てる決断をしたのが14才のとき。14才までに接してきた大人の大半がカルト信者という異常。脱会後の人生もそりゃ紆余曲折ある。
そして、今慣れ親しんだホームは忌むべき対象となった。自身の穢れ。ホームを焼き払うことでしか、この穢れは落ちないし、スカっとしない。
そして、関わった者の責任として、この世に存在すべきでない「ものみの塔」をキッチリ沈めなければならない、と考えている。
宗教2世の問題を知らない人に・・・
本書の対談も最後の質問へ。
「宗教二世を知らない人に何か知ってもらいたい事ってある?」
当事者の立場で勝手に答えてみると・・・
特に無いかな。宗教2世の辛さは、関係ない人には分かりようがない。同時に宗教2世だって、他の問題を抱えた他人の辛さなど分かりようがない。一緒かと。
なので、「あなたの抱える辛さと同じ辛さを宗教2世も抱えている」と、知ってもらえればそれで良いかな。何にも困ったことがない、幸せいっぱい順風満帆で今まで生きてきたなんて人は、このご時世いないよね。
私は上手く言語化できなかったのだが、宗教2世を知らない人に知って欲しいこと、本書の対談では提示されている。
宗教の話だからと
タブー化せずに新興宗教はどの宗教もヤバさがあるのをキチンと知ってもらいたい
確かに。言われてみればその通り。経験者として情報発信しているのもそのため。
宗教の話題はNG、宗教で人を差別するのはNGという風潮が、カルト宗教を容認する空気になりはしないか。苦しみの実体験を持つ者として伝えていきたい。
宗教2世の世界観
生まれてきてこの宗教が正しいと教え込まれ矛盾の中で生活していく苦しさも知ってもらいたい
誰もが地球が丸いと思っているのは、真っすぐに地球を一周して元の地点に戻ってきたり、水平線に沈んでいく船を見たからじゃない。当たり前のように教えられたから。
宗教2世の世界もこれと同じで、「エホバという性悪神がいて、この世界をハルマゲドンで滅ぼそうとしている」と、当たり前のように教えられた。
それが物心つくと同時だったら。周囲の大人すべてがそれを信じていたら。子どもはそれが真実だと思い込む。その
偽の真理と、自己の欲求や論理的思考との狭間で苦しんでいるのが、宗教2世。
この世界観で生きているというのを少しでも知ってもらえたらという話。
なのだが、実際に私がそんな愚かなバカげた世界観で10代を過ごしていたと思うと、当時の友人たちには知られたくないような気恥ずかしさはある。そっとしておいて欲しい黒歴史。
あんなに命知らずな暴走をしていたのは、若さゆえの暴走とか無謀とか、独立心の爆発とかでなく、「ハルマゲドンを信じていたから」という冗談みたいな裏がある。ハルマゲドンでどうせ死ぬんだから、リミッターなしの命知らずだった。これは、もはや触れたくない過去だな・・・



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