『近現代日本とエホバの証人』、カルトに取って喰われる無自覚層

『近現代日本とエホバの証人』

エホバの証人を学術的に研究しようとする本書を読み始める。

「エホバの証人の研究」なんてヤバさ満点な語感。信者たちは、ものみの塔の宗教本によるマインドコントロールのことを「聖書研究」と呼称している。

私の考えは、エホバの証人を学術的に分解したり、研究したりする必要なんか一切なく、ぶっ潰せば良いという考え。解散させるか、信者全員が騙されていると気付けばいい。そうすればエホバの証人が存在しない明るい未来が訪れる。

とはいえ、敵を知らねば戦いようがないので、この本でしっかりと「研究」させて頂くことに。

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最初のページからエホバの証人について端的に要約されている。エホバの証人の特徴を見事にとらえた最後に、「・・・というカルト宗教である」の一文が入ると大いにうなづけるのだが、本書は一方的な批判的立場をとらないので仕方がない。

虚しさや孤独を埋めるために悪事に手を染めるエホバの証人の女たち

エホバの証人がこんなにも増えた謎の解明が、本書の目的の一つ。

ラディカルな宗教思想は、社会における閉塞感や危機意識の高まりといった時代状況と適合してこそ求心性が生まれる。しかし、後述するように、アメリカ発祥のエホバの証人は、日本の時代状況における必然性とは無関係に、世界宣教の展開という教団内的な課題に大きく規定され、布教活動を展開してきた

時代にマッチしたわけではないのに、忌々しくもエホバの証人は20万人まで布教者を増殖させた。どんな時代にも、一定数はエホバの証人になってしまうような、無自覚な層が存在するということだろう。

この点は読み進めてみたいのだが、時代が関係ないのなら21世紀にもエホバの証人候補層が存在するわけで、エホバの証人というカルトのない未来の実現が難しくなる。

逆にエホバの証人に捕食される層が明らかなら、事前に手を打つ、その層にもっと美味しい話を示して脱会を促すなど、策が講じられる。

時代に関係がないのなら、なぜ21世紀に入りエホバの証人の増殖がとまったのか、その答えも提示されねばならない。

これに対しては私は仮説を持っている。

日本のエホバの証人は20万人。人口1億人として、人口に対するエホバの証人比が0.2%弱。この0.2%弱が潜在的にエホバの証人に取って喰われる層であるというのが私の仮説。日本人の500人~1000人に1人がこの捕食候補クラスタに属する。

エホバの証人がしらみつぶしに日本中を布教して周り終えたのが1990年代後半。エホバの証人の増殖が停まった時期。この時期に捕食候補者を食いつぶしたのが、エホバの証人の増殖が終わった理由なのではないかと、私は考えている。

これ以上は、エホバの証人に取って喰われる無自覚な層は日本には存在しない。よって、これ以上は無制限にエホバの証人が増殖し続けることはない。

しかし、1000人いれば1人くらいは、エホバの証人に身も心も喰い散らかされる無自覚層がいる。このクラスタに属する人間は、放っておけばいつまでもエホバの証人に捕食される。

この層に対して、また既存信者に対して能動的に働きかけない限り、エホバの証人がぐっと減る美しい未来は訪れない。それが私の仮説。

本書でこの答え合わせができるかどうか。

そして、どうすれば捕食クラスタをカルトの魔手から救えるのか?そして、現役信者たちが、カルトの手先となる悪事に手を染める続けることから救えるのか?


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