エホバの証人2世の晴れやかな夜、脱会宣言という大仕事

エホバの証人の集会に行かないと告げた夜

私はほぼ生まれたときからエホバの証人2世として育てられた。エホバの証人というのは、自称キリスト教系の新興宗教。米国に世界本部があり、日本ではものみの塔聖書冊子協会という宗教法人が組織の維持運営を行っている。

わが家は両親ともに熱心なエホバの証人だった。その信仰を強要されるのが2世信者。エホバの証人2世。

父親はエホバの証人の会衆の長老という要職に就いていた。母親は正規開拓者という年間布教時間1,000時間(※2022年現在では800時間、コロナ禍で時間制限撤廃中?)のガチガチの信者。

私は、14才のときに自分の意志でエホバの証人をやめた。エホバの証人をやめるという決意はできていたのだが、両親になかなか言い出せなかった。

エホバの証人をやめるということは、両親の愛情を裏切ることである気がして、苦しかった。長い間、悶々として、ようやく両親に切り出すことができた。

エホバの証人の夜の集会に行く時間になり、両親から「集会に行くよ」と言われる。そのときに、

「集会にはもう行かない」と告げた。エホバの証人をやめるとは、ハッキリ言えなかった。「集会に行かない」と言ったときも、自分の部屋から出ずベッドに寝て顔を伏せたまま。

この行為は、両親に対しての裏切りという意識が、当時の私には強かった。しかし、

この晩の両親が集会に行っている間の気分、なんと晴れやかだったことか。

これからは自分の時間を自分の思うように使うことができる。戒律で禁止されている学校の行事に参加できず、恥ずかしい思いや嫌な思いをすることもない。女の子と付き合ったり、友達の家のクリスマスパーティーに参加したりすることもできる。

やっと両親に、エホバの証人をやめるという話を切り出すことができた。言い出せず長い間悩んでいたので、大仕事を終えた気分だった。この後は、頑としてエホバの証人活動を拒むだけ。

親と言っても、最後の最後は他人。自分自身とは違う。子は、親の信念と心中する必要などない。

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ものみの塔によるマインドコントロール両親の考え方

両親は早々にその日の集会から帰って来た。そして何事も無かったかのように、さりげなく私への事情聴取を始めた。内心穏やかでは無かったはず。

エホバの証人をやめた一人息子は、来たるハルマゲドンを通過することはできない。家族3人揃って、楽園で永遠の命を享受することができない。

良い大人が本気でこんなことを考えていたのかと思うと、今となっては苦笑。しかし、ものみの塔による強烈なマインドコントロール状態にあった両親は真剣そのもの。

今では、両親はマインドコントロールから解放されているので、何であんな考え方をしていたのか、自分たちでも不思議に思うだろう。

また、会衆の長老と正規開拓者の夫婦だった両親にとって、一人息子がエホバの証人をやめたということは、体面が非常に悪い。会衆内で模範的でなければならない、という思い込みのあった両親は、そういった心配もしていた。


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