エホバの証人2世のホームラン

カルトの野球大会

エホバの証人の日曜日の集会は半年に一度ほど野外集会と呼ばれる屋外式のものになる。大きな公園や河川敷などで”レクリエーション”を兼ねて開かれる集会である。とある野外集会のときだった。ものみの塔誌の討議も終わり大人の信者たちが昼食の準備を始めた。私の父親はその会衆の長老だったので昼食の準備を仕切る形になっていた。

野外集会のこの日だけはエホバの証人2世の子供たちも思う存分遊ぶことが出来た。楽しみにして待ちわびた野外集会である。昼食前に我慢しきれなくなった子供たちでだけで野球を始めてしまった。しかし食後には大人も交えて”レクリエーション”が行われる。それは野球だったりサッカーだったり子供たちの望む流行のスポーツだった。

激しく敵意をむき出しにしたプレイをしたり露骨な応援などはエホバの証人的にNGではあるが、一応はスコアをつけるし競技の面白みを損なわないようにある程度は本気でボールを投げたりする。カルト教団の野球大会と言ってもその辺は普通だった。

ビールを飲んでいるオッサンなどがいない分だけまだスポーツマンシップにはのっとっているような感じである。普段のエホバの証人はスポーツマンシップにのっとりなどと言う選手宣誓は禁止なのだが、とにかく野外集会や皆で集まってスポーツをするという珍しい機会にはしっかりと汗をかいてプレイするのである。





エホバの証人2世のホームラン

野外集会が終わり昼食までのわずかな時間で我々エホバの証人2世の子供たちだけで野球を始めたのである。こうやって伸び伸びと遊ぶことが出来るタイミングというのはエホバの証人2世の子供にとってはとても少ない。どうしても我慢しきれずに子供たちだけで野球を始めてしまったのだった。

この頃仲の良かった同年代のエホバの証人2世の男の子が私に向かって第1球を投げる。普段の我慢に我慢を重ねてようやくバットを思い切り振った私の打撃はホームラン級の飛距離だった。我ながらびっくりするほどに野球ボールは遠くまで飛んでいった。

放課後に友達と野球を出来ない集会の日には家の裏の庭とも言えないような狭いスペースで1人、壁に向けてノックをしたりボールを投げたりして遊んでいた。その練習の成果だったのである。こんなにも大きなヒットなのかホームランなのかを打ったのは生まれて始めてというジャストミートだった。しかしボールの飛んで行った先が大問題だったのである。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。