エホバの証人の騙され勉強会
昨日の記事の続き。『19歳 一家四人惨殺犯の告白』より。
1992年に起きた市川一家四人殺害事件。この凶悪事件の犯人は、小学生のとき、エホバの証人の子ども向け勉強会に参加している。
そして、典型的な騙され方をする。
勉強会には、学校では絶対に得られない本当の仲間がいる、心を打ち明けて何でも喋ることのできる立派な大人たちがいる。学校より、ずっと魅力的で心地良い場所だった
そんなに簡単に人を信じちゃうから騙される。しかし、疎外感のあるリアルワールドから甘々のエホバの証人ワールドに来た人で、騙され素養のある人はこうなってしまう。
この勉強会で、エホバの証人は小学生の犯人にいい加減なことをふきこんでいる。暴力親を抱えていた犯人に
きみの使命は、お父さんとお母さんを変えることなんだよ
と言っている。そんな使命あるかよ。素人が他人の家庭の事情に口出しすると、火に油を注ぐだけ。
子どもの頃の犯人は、
聖書の教えを真剣に学べば、いつか自分の両親も分かってくれる、彼の家のように、笑顔の絶えない、平和な家になる、と信じた
信じたり、聖書を学んだり、念仏唱えたり、そんなことで決して人生は好転しない。
エホバの証人を起点に親子が崩壊
結果、エホバの証人が理由でこの親子は決裂している。犯人の父親は、最強のろくでなしだったのだが、聖書だかものみの塔本だかを
「こんなくだらないものばっかり読みやがって」
そう言うなり、真っ二つに引き裂いた
正解!と言いたいところだが、普段から信頼関係がないと荒療治など効くはずがない。また、エホバの証人の宗教本とはいえ、いくら何でも子どもの持ち物を破り捨てるのはよろしくない。そこは対話せよと。
しかも、宗教本を破られたので殴りかかってきた子どもの頃の犯人に対して、父親は暴力で応戦している。
そして、犯人は父親に殴られながら、
僅かに残っていた父親への情愛は、きれいに砕け散った
という結果に。やはり、エホバの証人に関わらない方がまだ良かった。エホバの証人ではなく、児童福祉系の人に保護されるべきだったのだろう。当時の福祉状況がどうあれ、カルトよりはマシ。
本書では、
「エホバの証人」だけがこの世の真実だった少年時代
と書いているが、少年だった犯人は、この世で最も信じてはいけないモノを信じていた。そして、最も真実から遠いモノを。
明日に続きます。