恋愛禁止のエホバの証人2世
私が小学校6年生のときの初恋の話。その初恋相手の家へ、私の母がエホバの証人の伝道のために通っていた。双方の親達で週に1度、お茶を飲むついでにものみの塔本研究が行われている。
私の母は筋金入りのエホバの証人。先方の母親は当然、信者ではなく、感じの良い人柄そのままに、私の母の話を聞いてあげている状態。思春期の子どもにとっては最低最悪の状況。抜群の恥ずかしさ。
さらに、これでは子ども間の情報が親に筒抜けになってしまう。事実、その形跡が感じられることがあった。翌日がその女の子の誕生日だか何かで、親に隠れてプレゼントを用意したことがあった。私の母がこのプレゼント行為を必死に妨害してきたことがあった。
エホバの証人2世は恋愛が禁止。成人しても無条件では異性との交際は認められない。また、誕生日を祝うことも禁止。他にもクリスマス、バレンタインといったプレゼントの交換も厳禁。よって、初恋相手には親に隠れてプレゼントを渡すしかない。
妨害されるエホバの証人2世の初恋
誕生日プレゼントに添えるメッセージを書きたいと思って、エホバの証人の集会から帰ってきた夜に自分の部屋にこもった。しかし、そこへすかさず母親が入ってくる。そして「何をしているのか?」と執拗に聞いてくる。
プレゼントやメッセージカードはしかるべき場所に隠していたのだが、あまりにも不自然な状態だった。小学生の頃の私には、そんな夜更けに勉強する習慣もなく、言い逃れが難しい状態。明らかに先読みされていた。
しかし、女の子への何らかのプレゼントであると認めると、来年から中学生という良い歳をして、おそらく体罰の対象となる。私の家は父親が夜勤だったので、父の帰宅後の翌朝、ひどい目にあうことになる。
到底親に発覚するわけにはいかないので、ここは強く否定するしかなかった。否定というか「何でもないから放っておいてくれ」という、反抗期風の抵抗しかできなかったのだが。
エホバの証人2世の一過性
結局、中学校を卒業するまで、その女の子との微妙な関係が続いた。中学校を卒業したときには、「エホバの証人をやめたい」という願望を実現させていたので、堂々と彼女と付き合うことも出来た。
ただ、もう私の心が彼女から離れてしまっていた。お互いに違う高校へ進学することになっていた。どうせ付き合うなら、新しい環境でエホバの証人だった過去を知られていない人の方が良いとも思った。
私の人生に、常にあったのはこの一過性。ただただその場を通過していく。いつまでもここにはいない、という考えが、私のいる場所や周囲の人々に対しての丁重さ、丁寧さ、思いやりを損なわせてきた。
その場にいながら、彼らは通過していくものであり、一旦、離れれば二度と接することはないという杜撰な対応をしてしまう。
エホバの証人2世だった時からそうだった。いつかはエホバの証人をやめるのだからと、会衆の人々に対して乱雑な対応をしていた。恥のかき捨てという思い。
人生は常に一期一会、ゆえにその瞬間にベストな対応、集中力で臨まなければならない。二度と会わないから粗雑にやり過ごすのでなく、二度と会えないからこそ、後悔のない対応をしなければならない。
そうしなかったおかげで、私は初恋相手に始まり、何人かの恋愛相手に対して後味の悪さしかない。
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“エホバの証人2世の初恋、通過していくだけの生き方と後味の悪い記憶” への2件の返信